『SOUL'd OUT』を君は知っているか?
僕らが中学生の時、一部の人の中で神と崇める伝説的HIPHOPグループがいた。
それが『SOUL'd OUT』だ。
独特なフロウと中毒性のあるリリックが一番の特徴であり、常軌を逸したその表現力は「50年、登場する時代が早すぎてリスナーの理解が追いつかないアーティスト」や「クソダセェのに超カッコいいアーティスト」などとよく呼ばれている。
2014年7月に解散となったグループだが、いまだに根強いファンを持っており、そんな彼らの魅力に迫る。
まるでそれは地響きを鳴らし、黒煙をあげる火山の噴火のようなインパクトだった。
2003年に『ウェカピポ』でメジャーデビューを果たすと、英語だけでもなく、日本語っぽくもない斬新なラップスタイルと独特なトラックが多くのヒップホップヘッズたちを惹きつけた。
Diggy-MO'(ディギー・モー、Main MC)・Bro.Hi(ブラザー・ハイ、Human Beat Box/MC)・Shinnosuke(シンノスケ、Trackmaster)の三人からなるSOUL'd OUT。
彼らの音楽を最も楽しめる簡単な方法は「音感の気持ちよさに酔うこと」だ。歌詞の意味を理解しようとするよりも純粋に音のハマり方や遊びに注目をして欲しい。
例えば、この曲『FlyteTyme』もファンの中では好きな人が多い名曲だ。
サビ部分で何回も何回も出てくる「WA! シュビドゥビドゥバ FEEL ME TONIGHT」というフレーズは1回聴くともう頭から離れなくなる。
さらにこの曲「1,000,000 MONSTERS ATTACK」ではイントロから「アッオゥアッオゥアッオゥアッアッアッオゥアォアォゥワッ」というもはや意味不明のワードで襲ってくる。
しかし、そうした奇抜なワードだけのグループというわけではなく圧倒的なラップスキルこそが彼らの一番の魅力だ。
SOUL'd OUTを代表する曲の1つに「To All The Dreamers」という作品があるが、特に注目して欲しいのはBro.Hiが担当する2番のバースだ。
一見、スラスラと早口で歌っていると言うふうに聴こえるがファンでも実際にカラオケなどで歌ってみるとその圧倒的なリズムキープと舌の回り方のスキルがずば抜けていることがわかる。
音感を楽しめる裏にはこうした圧倒的スキルが隠れていることを理解できたときにSOUL'd OUTの魅力はさらに深まる。
最後に一番有名であろう「TOKYO通信」も聞いてほしい。
音感・スキルがふんだんに現れた作品であり、まさにSOUL'd OUTを象徴する1曲だ。
はじめて聴くと理解し難いアーティストだが、ある種、容易に楽しめるアーティストでもあり、だからこそいまだに年齢や性別、ジャンルを超えてSOUL'd OUTを愛しているファンがいるのだろうと思う。
もし、この『アヴァンギャルド』の読者の中にSOUL'd OUT好きがいれば、ぜひとも『SOUL'd OUTを語る会』を開催したいところである。
みなさんの好きな曲はなんですか?ぜひ教えてください。
ア アラララァ ア アァ!