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#0 製造業の情シスが社内大学"ASC"を企画する話

初めまして。株式会社オートシステム、システム部の「二見ヶ浦」です。

弊社が今年4月から開始した社内研修プロジェクト「ASC(オートシステムカレッジ)」について、オープン社内報という形で社内外に発信するために、noteで記事を書くことになりました。

この記事では、ASCプロジェクトが企画された経緯をご紹介いたします。

■ 会社紹介

本題に入る前に、弊社の事業を紹介させていただきます。

弊社は主に実装機向けのワイヤーハーネス、X線撮影台などの医療機器、そしてFA装置の製造を手掛けております。

詳しくは弊社ホームページをご覧下さい。

株式会社オートシステム
http://www.auto-system.co.jp/
株式会社オートシステム 医療事業部
http://www.auto-system.co.jp/medical/

■ 社内大学"ASC"の経緯

■ 全社的な改善活動を提案したい

弊社はノーコード開発ツールのkintoneを導入しており、現場で紙の帳票に手書きしていた記録の多くを、QRコードを読み取るだけで入力できる電子データに置き換えています。

このkintoneアプリ開発はシステム部と一部の社員が手掛けていますが、本当はプログラミング知識のない方でもノーコードでアプリ開発ができる簡単なツールです。

システム部だけでなく全部署が、ノーコード開発アプリで業務改善に取り組む社風を作りたい。しかし今までは、ノーコード開発の取り組みを会社全体に広げる機運がありませんでした。

■ インボイス制度・電帳法対応を契機に

2023年10月1日から開始する「インボイス制度」と、2023年12月末日に猶予期限が終了する「電子帳簿保存法」。

弊社はこの2つの法制度への対応を契機として、SIerの伴走支援を受けながら業務と帳票の棚卸を実施し、帳票の電子化促進(ペーパーレス化)と業務効率化に全社横断で取り組むことを決定しました。

法対応(インボイス制度・電子帳簿保存法)プロジェクト
最終報告用資料より抜粋

そして業務の棚卸の結果、他部署との情報連携不足案件管理システムの不足が弊社の課題として浮かび上がりました。

――部署と部署を繋ぐ案件管理システムは、kintoneを使えば各部署が共業して開発できるのではないか。全社横断でノーコードアプリ開発に取り組む社内研修を通じて、会社を1つのチームに纏め上げ、変革を成し遂げたい――

かくして2023年3月15日、創立39周年の創立記念日に。

デジタルスキルとマインドセットの社内研修を通じて、ノーコード開発を行えるDX人材を社内で育成する計画が発表されました。

「社内に大学を建てる」意気込みで始まった、「ASC(オートシステムカレッジ)」プロジェクトです。

ASCプロジェクトでkintoneアプリを作成するスケジュール
電子帳簿保存法の猶予が終了する2024年1月から、案件管理アプリを運用する予定です
アプリ開発に全社横断で取り組みます

■ ASCプロジェクトの取り組み

ASCではDX人材育成にあたって、「デジタルスキル」と「マインドセット」を2本の柱として定めています。

ASCの2本の柱
デジタルスキル × マインドセット

■ デジタルスキル

kintoneなどのノーコード開発ツールだけでなく、最近はChatGPTなどのAIチャットボットを利用する手法でも、小規模なアプリはコーディング不要で開発できる時代に突入しました。しかしノーコード開発ツールなどが手元にあったとしても、それを使いこなしてアプリを開発・運用し、業務改善を成し遂げるには、幾つかの技術が必要になります。

ASCでは大別して4項目のデジタルスキルを学び、業務改善の要件定義から開発・運用まで行えるDX人材の育成を目指します。

  1. ノーコード開発ツールの開発知識

  2. ビジネス要件の理解と設計力

  3. アプリケーションやシステムの提案スキル

  4. プロジェクト管理スキル

■ マインドセット

DXを成し遂げるには、周囲が改革を後押しすることが必要不可欠です。

2−1.組織づくり・⼈材・企業⽂化に関する⽅策
(3)取組例
・DXの推進にあたり、新しい挑戦を促すとともに、継続的に挑戦し、積極的に挑戦していこうとするマインドセット醸成を目指した、活動を支援する制度、仕組みがある。

経済産業省『デジタルガバナンス・コード2.0』
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf

心理的安全性(自分の意見を安心して発言できる雰囲気)をベースに、各部署が自然と連携して改革を進められる組織・風土作りに取り組みます。

心理的安全性を大枠とするマインドセット概念図

■ 越境学習

ASC第1回~第4回の資料はシステム部で作成しているのですが、第5回以降の講座では、外部講師の方をお招きします。

越境学習とは、ビジネスパーソンが所属する組織の枠を越え(“越境”して)学ぶことであり、「知の探索」によるイノベーションや、自己の価値観や想いを再確認する内省の効果が期待されています。

越境学習によるVUCA時代の企業人材育成
経済産業省「未来の教室」事業 社会課題の現場への越境プログラム
https://www.learning-innovation.go.jp/recurrent/

20名を超えるASC参加者全員が別の組織を訪問することは難しいため、定義通りの「越境学習」とは言えないのですが、他の企業の文化や取り組みを学ぶことで、会社の外に目を向ける機会が少なかった現状を越えて、社内に閉じ籠っていた今までの常識を変革することを狙っています。

外部講師の方をお招きしての特別講座は、先方の許可を頂けましたら記事を公開いたします。

■ まとめ

弊社はインボイス制度・電子帳簿保存法対応を機に、DX人材育成のための社内大学「ASC(オートシステムカレッジ)」の開校を決定しました。

「デジタルスキル」と「マインドセット」の2本柱を社内に浸透させるべく、外部講師による特別講座を交えながら継続的な学習に取り組みます。

ASCの各回の記事は、参加者視点の「ハマボウ」さんと、システム部の「二見ヶ浦」が交互に執筆を担当する予定です。

「ハマボウ」さんが執筆された第1回の記事はこちらになります。

ASC第1回の記事にも目を通していただけましたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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