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幽霊も暴力も出てこない怖い実話4

高校時代。
神奈川県に住むイケてる男子や女子はたいていサーフィンやボディボードをする。
高校一年生の夏、私は友人数人と普通に海水浴に行った。あれは鎌倉だったか。そこでたまたま友人が通っていた中学のクラスメイトに出くわした。サーフィンに来ていた彼らの高校は、お世辞にも偏差値が高いとは言えない。そんな彼らは、波に乗らずにスッパスッパ葉っぱ。マリファナを吸っていた。

マリファナ高校生がナンパを始める。これまたお世辞にも偏差値が高そうとは言えない女子たちが引っかかった。
私たちが彼らと彼女らを横目に帰り支度を始めるていると、ナンパされていた女子の一人が叫んだ。
「お財布がない!」
女子たちとマリファナ高校生たちはざわつき、さあ、財布の一斉捜索が始まる。なんだか知らないけど私たちも巻き込まれて、財布を探す。
みんな血眼になって探しても、財布は見つからずに、あわれ、その女子は連れの女の子からお金を借りて帰路に着くことになった。

彼女たちを見送った後、マリファナ高校生の一人が財布を出して中身を数え始めた。
「何だよあのバカ女。三万円しか持ってねえじゃん」