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『狂った一頁』、「いっぺいじ」だと思っていたら「いちぺいじ」だった

おかしいな、おかしいな、おかしいなったら、おかしいな。かつては『狂った一頁』を「くるったいっぺいじ」と読んでいたはず。なのにWikipediaを見たら「くるったいちぺいじ」になっている。私の記憶違いか?

川端康成の原作を、衣笠貞之助監督が撮った作品。脚本には川端康成と衣笠貞之助も名を連ねている。他に、犬塚稔と沢田晩紅も参加。
パブリックドメインなので見放題。
23分あたりは黒澤明の『天国と地獄』の麻薬街というか阿片窟というか、あのシーンに影響を与えているような気もしないでもない。ちなみに、あの麻薬街はセットらしい。本当に麻薬街にロケに行ったように見えるからすごいよね、黒澤って。

ロベルト・ヴィーネ監督の『カリガリ博士』にバリバリ影響された、ヒリヒリする作品。
『カリガリ博士』もパブリックドメインなので見放題。

映像作品においては「実は妄想でしたオチ」のはしりだと思う。妄想の中で出会う人、出会う人がちゃんと「現実世界で似たような機能を果たしている」点が、夢オチとは違う。全部夢でした、なんてそりゃないぜってなもんでね。どこをどう見ても夢オチにしか見えなくても、「これは夢オチじゃない。夢以外の意図があるはずだ。」という見方をしてあげないと可哀想だからよ、そういう見方をしてあげないとな、ダメだよ。
ダメだよの部分、石井隆監督『GONIN』のビートたけしっぽく読んで欲しい。「保険きなねえからよ、俺らみたいな商売。プラスしてくんねえとな、ダメだよ」の、ダメだよ。
なぜ『GONIN』が脈絡もなく出てきたのか? いやいや、ちゃーんと脈絡はある。ちゃーんと妄想繋がりで、脈絡はある。劇中の竹中直人がちゃーんと妄想している。超絶怖い妄想を。

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