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恐怖のマウス、Logicool

ただ単に安い。それだけの理由で、私はLogicoolのマウスをよく買っていたんです。
みなさん、お分かり頂けたでしょうか? 「よく買っている」という表現に気づいて頂けたでしょうか? つまり「よく壊れる」んです。

最初に買ったLogicoolのワイヤレスマウスは、ほんの10センチの高さから落としただけで故障したんです。そして廃棄の憂き目に遭いました。
このとき、私はまだ舐めていたんです。たかだか千円ちょっとのマウス。保証書とレシート持って購入した店に行くのは億劫だったし、何よりクレーマーだと思われてしまうのが嫌だったんです。いま思えば自意識が暴走していました。

落とさなければいい。そんな軽い気持ちで、またLogicoolのワイヤレスマウスに手を出したんです。これも千円前後。今度は即日、スクロールが効かなくなってしまいました。下にスクロールすると下に行き、上にスクロールするとピタリと止まってしまうんです。きゃああ! あ! あ! あ、Macです。Windowsだと下にスクロールすると下に行きますものね。
でも大丈夫。スクロールが効かないだけで右も左もクリック可能でしたから。へっちゃら、へっちゃら。と言うわけで、サブマシン用にしました。

さて、メインマシン用に昨日と同製品を購入したんです。私は彼をひと月後に落としてしまい、故障させてしまいました。これは私のミスです。車内に我が子を置き去りにしてしまったときのような罪悪感に苛まれながら廃棄しました。
ちなみにマウスを「彼」と表現したのは何も男性が壊れやすく弱いといったジェンダー差別をしているわけではありません。スペイン語でマウスは「el ratón」、つまり男性名詞だからです。スペイン語で男性名詞なのでおそらくロマンス語圏、すなわちポルトガル語、イタリア語、フランス語などでも男性名詞でしょう。彼でいいと思います。
このときだって、クレーマーだと思われたくないがために保証書を捨てました。

「まだLogicoolを信用しようぜ」
そんな思いを断ち切りたい、いや、断ち切りたくても断ち切れない。そんな辰吉丈一郎がボクシングを続けているような状況に、キングカズがサッカー選手であり続けるような状況に、僕が僕であるための尾崎豊のような状況に、私は陥って行きました。そしてまたLogicoolのマウスを購入したのです。帰り際に落として故障しました。

どうしてこうまでしてLogicoolのマウスはもろいのでしょうか?

私はとうとう、謎の中国メーカーのワイヤレスマウスに浮気したんです!Amazonで! そしたらワイヤレスじゃなかったんです!
いや、正確にはワイヤレスだったんですけど、USBで充電しなければならなかったんです。
これじゃあeneloopを買った意味がないじゃないですか。

私の責任だよ、私が全部悪い! チャンスください! もうLogicool! Logicoolから私いいよ、もういい人生終わったから、Logicooらせてよ! お願い、もう嫌だ、Logicooりたい。お願い、Logicooらせて。私、Logicooんだら、許して。Logicooらせてください。

私はまるで篠田麻里子の贖罪と恫喝に出会ったかのように、新しいLogicoolのマウスを買ってしまいました。しかし! 1年経っても壊れなかったんですよ、1年経っても!
ただ、それはLogicoolからしてみたら、DV男が殴った後にしばし優しくする時間、ハネムーン期のような気分だったのでしょう。
突然、電池を入れる部分のアソビが大きくなってきて、電源が入らなくなったのです。そして廃棄しました。保証書は使えません。

仕方なく、先般のブラックフライデーでLogicoolのマウスを購入したんです。
2日目でした。まるで生理の憂鬱さと同じです。いきなり原因不明の故障です。いや、故障ではないのかも知れません。ひょっとしたら不良品をつかまされたのかも知れません。カーソルは動くんです。でも左右のクリックが効かないのです。ああ、ああ、ああ・・・

というわけで、サブマシン用に使っていたスクロールの効かないLogicoolのマウスを引っ張り出したら、スクロールが効くんです! 効くんですよ! 聞いてないよぉ! 90年代の流行語大賞を叫んでしまいました。だって年末なんだもの。

つまり、3台目以降はすべて夢幻だったということです。恐ろしい・・・

そう言えば、2024年にミッキーマウスの版権が切れるそうですね。そっち系のビジネスをしている方々にとってはLogicoolのマウスなんかよりもディズニーにパクリ疑惑をかけられる方が怖かったでしょうね。
ライオンキングはジャングル大帝のパクリのくせに。