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ヴィータ大量失踪事件

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『ヴィータ大量失踪事件』プロローグ

「で、話ってのは何だ?」
 アジトに戻ってやっと一段落、思い思いに羽を伸ばしていた面々だが翌日の朝にはまた呼び出されていた。済まなさそうに謝るソロモンに対し、そんなことは構わん、とブネが話を進める。
「それが、王都から調査依頼が来たんだ」
「へえ、シバから」
 バルバトスの表情から笑みが消え、一気に真剣な顔つきとなる。
「なになに!? キノコの調査ならあたしがあたしが!」
「そんなわけないでしょ」

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『ヴィータ大量失踪事件』第1話

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「見えてきたぞ、あれが例の町だ!」
 ソロモンが指す道の先、多くの建物が並んでいた。遠目に見る限りでは王都には遠く及ばないものの、それなりに大きな町に見える。
「けっこうデカい町じゃん? 美味い肉にありつけそうだぜ!」
「ちょっと。目的が違うでしょ」
「分かってるって

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『ヴィータ大量失踪事件』第2話

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「なっ……これは、どういう……」
 町に入り、その様子にソロモンは言葉を失った。あれだけの数の幻獣、嫌でもグロル村を思い出す。だから最悪の事態は想定していた。だが時に現実は想定を裏切る。
「おかしい、こんなはずは……。一体どうしてなんだ」
 バルバトスまでもが困惑する。そ

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『ヴィータ大量失踪事件』第3話

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 夜にラミアが振る舞ってくれた料理はどれも絶品で、ソロモンたちは心ゆくまでそれらを味わった。どの料理にもこの町で取れた食材が1つ以上は使われており、そしてそのどれもがフォトンを多分に含んでいるらしく、特にメギドたちはこの町の食事にすっかり心を奪われたようだった。
 そして

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『ヴィータ大量失踪事件』第4話(幕間)

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 ガサガサと布団が擦れる音で目が覚めた。あまり眠れた気がしない。頭がぼうっとしていたソロモンだったが、音の主に気づいて一気に覚醒する。
「ラ、ラミァうっ!?」
 思わず声を上げたソロモンの口を、ラミアは手のひらで押さえつける。いつの間にか彼女は仰向けに寝ていたソロモンの上

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『ヴィータ大量失踪事件』第5話

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 翌日、ラミアの悲鳴で目が覚めた。慌ててソロモンが彼女の部屋に飛び込もうとするがその寸前、とんでもない大きさの音が鳴り響き、地面が激しく揺れた。ソロモンは立っていることさえできずその場にうずくまる。振動が収まってから部屋に入るもそこにラミアの姿はなかった。しかし。
「どう

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『ヴィータ大量失踪事件』第6話

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 状況は芳しくなかった。
 元はヴィータだったと判明した幻獣たち。ソロモンはもはや、それらに対する攻撃を良しとすることができなかった。マルコシアスとシャックスで一時的に足止めをするがそれにも限界がある。守りの最前線に立つガープはもとより、その後ろにいる仲間にまで傷が増えて

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『ヴィータ大量失踪事件』第7話(最終話)

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「大変です! 起きてください!」
 翌日、朝早くからマルコシアスの声がこだまする。
「何よ、朝っぱらからうるさいわね」
 不機嫌そうに起き上がったウェパルに対し、マルコシアスは一切声量を変えずに言う。
「ソロモン王がいませんっ!」

 マルコシアスが言うにはこうだ。朝起きて食堂の机を見ると

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