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マラウイ女性の服装

マラウイに関するとある本には、

マラウイでは女性はズボンを履くことが禁止されている、寧ろズボンはミニスカートのような挑発的な印象さえ与える、

といった趣旨のことが書かれていた。

さて、マラウイに来てみると、どうだろう。
あれれれ、町中を出ると、スカートを履いた女性が、チテンジ(chitenji、マラウイでのアフリカ布の呼称)を腰に巻いた女性同様に数多く見かける。

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↑チテンジ。2メートル1000〜3000クワチャ(約150〜450円)で購入できる。価格は布の質や分厚さによって異なる。アフリカ各地で製造されていて、マラウイも輸入品がほとんど。今は中国でも製造されているらしい。

ん?あの本に書かれていたことは何だったのか?
マラウイ人の知り合いや、マラウイ在住歴の長い外国籍の友人に尋ねてみた。

すると、わかった。冒頭の‘’スカート禁止令‘”は、1956年にマラウイがイギリスから独立した後の1964〜1994年にマラウイカムズ・バンダ前大統領時代のことのようだ。どうやら当時は女性のミニスカートやズボンは禁止されていたらしい。

だが今は違う。時は2021年。伝統のチテンジを着ている女性が多いが、首都リロングウェ(Lilongwe)のオールドマーケットやショッピング街を歩く若い女性たちのなかには、タイトスカートに革ジャンを羽織ったり、ドレスにハイヒールを履いている人など、様々だ。

ああ、女性が自由に好きな服を選んで着られる素晴らしさ。今がバンダ政権下ではなくてよかった!!!

時が立てば(政権が変われば?)服装も変わる。

百聞は一見に如かず。あの本を読んだだけでマラウイに訪れることがなければ、きっと、マラウイは“女性が着たい服を着られない自由の無い国”、という偏見だけを頭に植え付けて自分の人生は終わっていただろう。
その地を訪れる大切さを身に沁みて感じられた。

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