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そうだ 京都、行ってきた。②

東寺の蓮

深夜バスで木曜の夜に東京駅を出発して、京都駅八条口に定刻の5時50分より少し前に着いた。この日は、阿形(夫)と合流する夕方まで私の自由時間。まず東寺に向かった。早朝に咲く蓮を見たかったからだ。午前5時の開門はありがたい。

おはようさんどす。

徒歩20分。東寺東門前の通りに入ると、家の前を箒で掃く人たち。赤い消火器と水を貯めた消火用のバケツがセットできちんと置かれている。「おはようさんどす」と京ことばをかけられ、なんだかうれしい。

東門に到着。門をくぐると、すぐ目の前に蓮池があった。花はまだ咲きはじめで数える程度だったが、勢いよく生い茂る蓮の葉の影に、いくつもの蕾が起っていた。

ふだん、早起きは苦手で、蓮を見に行くのは、蓮の花もぐったりの午後がほとんど。さすがに咲いたばかりの蓮の花は、人を惹きつけるものがあった。早朝から蒸し暑かったけれども、しばらく去りがたかった。

東寺東門の慶賀門(国の重要文化財)
紫陽花と蓮 蓮池の奥の建造物は平安時代の宝蔵


ラジオ体操のうた

蓮池を離れ、地元の人が参拝する鎮守八幡宮に参拝してから引き返すと、木陰の道にゆるく集まる人たち。ラジオ体操かと思いきや、かかってきたのが、『新しい朝が来た 希望の朝だ』の聞き覚えのある歌。昭和なつかしいこの曲はいまも現役なんだろうか……と調べたら、NHKラジオで朝6時30分から、「ラジオ体操第一」「ラジオ体操第二」の前にかかる、いまも現役の「ラジオ体操のうた」という曲だった。『新しい朝が来た 希望の朝だ』の知っているワンフレーズだけ口ずさんで東寺を後にした。

「新しい朝がきた 希望の朝だ」
金堂と五重塔


イノダコーヒー本店へ

東寺よりバスで、イノダコーヒー本店へ。その昔、京都にゆかりのある人がオススメの「京都の庭」を挙げる雑誌の特集で、京都出身の歌手、ボニー・ピンクさんがイノダコーヒーの中庭を挙げていて、ずっと行きたいと思っていた。

朝7時のオープン。20分過ぎに着いたが、すでに私の前に観光客らしき女性客が2人ならんでいた。「手前の席ならご案内できますが」と言われたけれども、せっかくなので、庭の見える窓の席を待つことにした。

イノダコーヒー本店


イノダコーヒーのブレンドは「アラビアの真珠」という名前

「本店以外はふつうの喫茶店よ」と京都好きの義母は話していたが、なるほど、本店は別格だった。町屋造りの外観、中はホテルのような高い天井、重厚な円卓と椅子。そして鳥かごの小鳥のさえずりがBGM。

「(空いている)テラス席でも」という観光客に対し、店の人は「雨の降る前は、蚊がたくさんいますのでね」と、店内の席に誘導していたが、常連さんらしき男性がテラス席に座ると「今日は何にしましょう?」と、親しげに声をかけていた。その隣のテーブルに、また常連さんらしき男性が座る。


雰囲気が似ている香港の飲茶の店

早朝より商談風のビジネスマンに、新聞を片手にくつろぐ優雅な地元の人たち、そこに観光客がまじる。喫茶店だけど、円卓を囲むひとたちの雰囲気がどこか香港の早朝の飲茶の店の雰囲気に似ているなと思った。

そういえば、京都市にはイノダコーヒーをはじめ、行ってみたい喫茶店が多い。京都の喫茶店文化はどうして生まれたのだろう。(うん)


■「そうだ 京都行ってきた」シリーズのつづきはこちら:


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