フォローしませんか?
シェア
雪柳 あうこ
2023年2月6日 06:30
長患いに瘦せ細った祖父は、死ぬ前風呂に入れれば、その湯が服を着せれば、その衣がおもたい、――おもたい、と呻くように呟いていた五体満足に生きていたら気にすることもないものたちの、重みを亡くなった後故人の服を捨てようと集めてまとめて袋に入れれば一枚二枚では感じなかった衣の重みがずっしりと袋を持ち上げる指に引きちぎれんばかりに、食い込むいつだって身軽でいたいけれど人生は