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エッセイ 保護猫さまとの出逢いと別れ

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今は大好きな猫さまと暮らせない環境にありますが、以前一緒に暮らしていた保護猫さまたちとの出逢いと別れを綴ってみました。
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絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回) 最終回➕保護猫プロジェクト「俳句で猫助け」のこと

絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回) 最終回➕保護猫プロジェクト「俳句で猫助け」のこと



プロローグ

息子が産まれた時、実家にはすでに「一歩」というやんちゃな猫さまがいた。
それまで家族の愛を一身に受け、家族円満(笑)の中心であった一歩……そこに突如現れた、何だかふわふわしてあったかくてちっちゃい物体。やけにみんな目を三日月にして、大切そうにしている物体……一歩は少し混乱していた。

救いのヒーロー再び 一歩の場合

シリーズ第1回「太一編」に登場し、川で溺れる太一を救った我が弟

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絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回) その三

絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回) その三

仔猫をさらう?
化学系企業の研究所に勤めていた時のお話です。
昼休みを迎えると、それぞれの研究室から、社食やカフェテリアにゾロゾロと研究員たちが向かいます。
私は今も昔ものろまは相変わらずなので、実験着から私服に着替えるのが他人よりも遅く、建物の外に出る時は、大抵ひとりでした。
今日はうどんでも食べようか、などと考えながら、敷地内を歩いていたのかどうかは、憶えていませんが、芝生の奥の垣根の下に小さ

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絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回)その二

絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回)その二

今回主役の猫さまは、当初我が家ではなく、お隣のお家で保護された猫さまです。
色合いや配色の分布は、あのスタイリッシュで気の強いシャム猫さまのようでしたが、どうにもドヨヨンとした貫禄ある姿とスローモーションな動きが、果てしなく笑いと癒しを誘う猫さまなのでした。

梅の木にとまる子

早朝、大きなカラスの鳴き声で目を覚ましたお隣のお姉さん。
グアァ〜グアァ〜、グアァ〜グアァ〜
カラスにもいろんな声音が

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絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回) その一

絵描きの保護猫さまとの出逢いと別れを綴ってみた (全四回) その一

はじめに

noteでは公表していなかったけれど、私は無類の猫好きなのです。
むしろ、猫そのひとになりたいと、公言して憚らない人生を送って参りました。
住むところも定まっていない、毎日お腹を空かせている猫さまからは、何甘えたことを呑気に言ってるのだと、お叱りを受けるかも知れませぬが、自分の顔を鏡で見て、徐々に猫になっていくのを想像するのは、至福の時間のひとつであります。

けれども、今住んでいる公

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