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パティシエさん、最後にアップデートしたのはいつですか?

(この記事内での〈パティシエ〉は、〈パティシエール〉や〈和菓子職人〉〈パン屋さん(ブーランジェリー)〉も含んだ表現にさせていただきます。記事内容は洋菓子屋さんベースになります。ご了承ください。)

少し怖めのサムネイルにしたから、書き初めに悩んでしまってます(笑)

さて、今回の記事は、パティシエ、製菓専門学生、将来パティシエになりたいあなたに見てもらいたい記事になってます。少し怖いことも書くかと思いますが、絶対に必要になると思いますので、一緒に考えてほしいです。


1.年々、ケーキが売れなくなっている。

これは、僕が7年前にパティスリーに就職してから今まで、年々減り続けています。自分の就職先もそうでしたし、友達の就職先でも、企業の大小に関係なく、ずっとです。

パティスリー最大の繁忙期であるクリスマスは、もっとわかりやすいです。中でも6号以上の大きさのホールケーキはすごい勢いで減少しました。お店によっては販売していないところもあるそうです。

パティスリーにおいてホールケーキの売り上げは大きな収入源です。、ロス廃棄になれば大きな痛手です。

かわりに、小さい号数のホールケーキを出すお店が増えました。3~4号サイズですね。この時代の流れともいえる増減は何を意味しているのでしょうか

1についての考察

1.生涯未婚や、少子化、核家族化が進んで、家族で大きいホールケーキを囲う文化が薄れていった。

これは世帯人数が少なくなったということです。大きなケーキを買っても食べきれないことが理由としてあげられるでしょう。ただ、この場合、『ケーキを食べる』という文化は残っているので、小さい号数のケーキや、カットケーキが選ばれることになるでしょう。

2.個人の好きなものを尊重する考えが普及して、同じ味のホールケーキより、いろんな味のカットケーキが選ばれやすくなった。

ここ何年かで、お誕生日のチョコプレートをカットケーキにつけてほしいという注文依頼がとても増えました。ホールケーキで全員同じ味を共有することよりも、それぞれが好きな味を楽しむために、カットケーキを選ばれるということです。

3.そもそもお客様がケーキを食べられなくなってしまった。

上記2つは大きいホールケーキの購入が無くなってしまったが、ケーキを食べる文化は残っているので、小さい号数のホールケーキや、カットケーキなどを選んでいただけます。しかし問題は3です。

これはケーキを食べてもらえない。

ではケーキが食べられなくなるとはどういう人なのか。もっと少し深く掘り下げていきましょう。

2.ケーキが食べられない人とは?

ここの内容は、「甘いものが苦手だから食べない。」という人ではなく、「食べたくても食べられない理由があるから我慢して食べない。」という人を指します。ではその理由とは何でしょうか?

2-1.食物アレルギーを持つ方が増えた。

アレルギー数統計

上記の表は、平成30年度に消費者庁から発表された、食物アレルギーを初めて発症した患者さんの年齢別原因物質です。

勘違いしてはいけないのは、「初めて発症し、お医者さんのところに来院した患者数」だということです。

そして下記が、原因物質別円グラフです。

アレルギー原因物質統計

食物アレルギートップ3にケーキを作るのに必要不可欠と思われている「鶏卵、乳・乳製品、小麦」が入っているということです。

参照:平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書

食物アレルギー症状を持つお子さんのお誕生日を想像したことがありますか?

僕はパティシエの存在意義の一つとして、「お客様の一生に一度のお誕生日を、ケーキという形で喜んでもらえるように最高の演出する」というのがあると思います。~歳のお誕生日は一度きりです。

その、一度きりのお誕生日を「食物アレルギーがあるから、ケーキが食べられない」と諦めてしまう。とても悲しいことだと思います。

じゃあ、

僕らパティシエに何ができますか?

2-2.糖尿病の患者さんが増えた。

糖尿病 患者数2

上記の図は、厚生労働省が発表している糖尿病患者数の遷移です。左中央のグラフの「糖尿病の可能性が否定できない者」は下がっているように見えますが、その左のグラフ「糖尿病が強く疑われる者」は毎年増加し続けています。そして忘れてはならないのが、このデータは2016年のものということです。2020年現在も増えてしまってことがいることが、予想できるでしょう。

参照:糖尿病患者数の状況

家族に糖尿病の方がいるお誕生日を想像したことはありますか?

僕が低糖質イタリアンで接客させていただいたお客様のお話です。

「お爺ちゃんが糖尿病なので、お誕生日にお孫さんや家族と一緒にケーキを食べられない」というお客様、

「お子さんが糖尿病なのでお誕生日ケーキが食べられない。だけど、食べたそうにしているので食べさせてあげたい。」という客様がたくさんいらっしゃいました。

簡単に説明しますが、糖尿病とは血糖値を下げる働きのインスリンというホルモンが、何らかの原因で分泌されず、身体が血糖値をコントロールできなくなってしまう病気のことです。そして、血糖値を上げてしまうのは糖質です。

糖質についての説明:糖質って結局なんスか?

主にケーキで言う、グラニュー糖や薄力粉のことです。

使わなければ、血糖値は上がりません。

さて、

僕らパティシエになにができますか?


3.やらない理由なんかない

ケーキ屋さんは、ケーキを売りたい

お客様は、ケーキを買いたい

こんな素晴らしい需要と供給の一致はないはずです。

そして僕らパティシエはプロです。お客様のケーキのリクエストにできるだけの力でお応えし、最高の演出ができるよう努力し、喜んでいただく職業です。

食物アレルギーが原因でケーキを食べられない方のために、アレルギーレスケーキを。

糖尿病が原因でケーキを食べられない方のために、低糖質ケーキを。

開発しない理由は何ですか?

めんどくさいから?原価が高いから?時間が無いから?

4.期限切れのパティシエ

アレルギーレスや、低糖質のケーキは正直言ってとても難しいです。

膨らまない、今までのようなしっとり感が出ない、ボソボソして美味しくない、などになりやすいです。

しかも、ちょっとのミスで人の命に関わる重大な事故に繋がります。

軽い気持ちで低糖質ケーキと言って、糖質量の計算も半端にし、売り出した商品が、重度の糖尿病の患者さんの手に渡り、低血糖になってしまうと、最悪の場合、昏倒やけいれんを引き起こします。その方が車の運転中だったら?家で一人だったら?お風呂に入ってるときだったら?ケーキで人が死ぬ可能性があります。大袈裟でも何でもありません。

だからと言って目を背けるな

時代は流れてます。ついこの前、コロナ禍で時代のうねりに巻き込まれ、苦しい想いをしたばかりじゃないですか

時代に取り残されて、その砂糖と小麦粉をたっっっっぷり使ったケーキと一緒に、パティシエとしてのあなたの人生も期限切れになりますか?

期限切れのケーキをあなたのお店ではどうしてますか?

今ならギリ間に合います。ケーキの考え方、パティシエの仕事についてアップデートしてください。

僕が低糖質を勉強し始めた6年前よりいろんな情報がネットで簡単に手に入るようになってます。書籍もたくさん出ています。

一番最初に書いた和菓子屋さんやパン屋さんも同じです。すでに始めているお店はあります。

僕も、もうすぐオンラインではありますが、自分のお店を持つことになります。気合い入れて頑張ります。僕もアップデートし続けます。

皆さんのパティシエ人生が生涯終わることなく、お客様に愛され続けることを願います。


最後まで見ていただきありがとうございました!

めっちゃ好きです!


profile

1994年大阪出身。大阪の製菓専門学校を卒業後、個人店パティスリー・百貨店パティスリー・低糖質イタリアンで経験を積む。
現在起業準備中


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○この記事中の出来事

友達がおそらく食中毒になりました。原因は冷凍してた腐ったバナナを食べたからな模様。たべるな



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