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「遊戯王」(王国編) 感想①

最近、漫画「遊戯王」を読み返してます。ちょうど今「王(ファラオ)の記憶編」の頭くらいのところまで読みました。

その中で、やっぱり「王国編」が面白いなと思ったので、王国編のどこが面白いのかについて書いていきます。

ここからは僕の主観アンド主観になりますのでご了承下さい。

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・「王国編」の基本原則

まず、「王国編」が後の「バトルシティ編」と異なる部分をまとめます。この原則が「王国編」ならではの面白さを生み出します。

原則1:上級モンスターを召喚するのに生贄は不要。
原則2:プレイヤーへのダイレクトアタックは禁止。
原則3:魔法、罠カードはあまり使わない、モンスターの殴り合い中心。
原則4:プレイヤーのライフポイントは2000P。

この基本原則を頭に入れた上で、「王国編」の面白さを見ていきましょう。

・雑魚カード全盛期

「王国編」は雑魚カードにとっての天国でした。雑魚カードたちがなんの役目も負うことなく伸び伸び戦い合うことができたのが「王国編」でした。

「バトルシティ編」以降上級モンスターの召喚には生贄が必要になります。(原則1参照)ですので、雑魚カードはフィールドに出たとしても速攻上級モンスターの生贄として消えてしまいます。

また、ストーリーが進むにしたがってどんどんデュエルが高度になっていきます。それに伴い、なんの効果も持たない雑魚カードの出番は減少していきます。また、出てきても敵の攻撃を誘うためだけの捨て駒みたいな扱いなので活躍の場面があまりありません。(原則3参照

なんの効果も持たない雑魚カードが花開けるのは王国編だけなのです。

例えば、遊戯対インセクター羽蛾戦の「昆虫人間」はもともと攻撃力500でなんの効果も持たない雑魚カードです。しかし、レーザーキャノンアーマーを装備し、フィールドパワーの恩恵をうけることで攻撃力2660までパワーアップし、遊戯のモンスターを見事倒しています。

・ピンチからの大逆転

ピンチからの逆転は遊戯王の醍醐味であり、「バトルシティ編」以降も何度も遊戯達によって起こされます。しかし、「王国編」の逆転は特に爽快感があるように感じます。

この爽快感が生まれる流れと原因について書きます。

「王国編」のデュエル(厳密に言うと「王国編」全てではなく、遊戯対インセクター羽蛾のデュエル〜城之内対ゴースト骨塚のデュエル{遊戯対死者の腹話術師戦を除く}までの6試合)は概ね下記の流れで進んでいきます。

流れ1:敵の強いカードが現れ、主人公達(遊戯と城之内)はモンスターを守備表示で出して凌ぐしかなくなる。
流れ2:その間に、敵はモンスターカードをフィールドに増やしていき、敵の大軍ができる。
流れ3:主人公達が逆転のカードを使い、敵の大軍を全滅させる。

流れ2で、敵の大軍に囲まれることによって主人公達は大きなピンチに陥ります(緊張状態)。
流れ3で、敵の大群を撃破することで主人公達は大逆転します(緩和状態)。
この流れ2→流れ3の緊張の緩和が大きな爽快感を生み出している原因です。

そして、この爽快感の源である流れ2(緊張状態)を作り出しているのが原則2です。

どういうことかというと、プレイヤーへのダイレクトアタックを許すと、流れ2で敵の大軍ができるまでに主人公達がやられてしまいます。

ダイレクトアタックが禁止されているからこそ敵の大軍ができ、その大軍を主人公たちが破壊するカタルシスが得られるのです。

・ピンチからの大逆転(補足)

さきのピンチからの大逆転で、流れ2を緊張状態としてずっと話を進めていましたが、実際のところは少し違います。(ちょっと複雑な話なのですが、、、)

敵の大軍は一見主人公をピンチに陥れているように見えますが、結局ダイレクトアタックができないので何体いようが実際デュエルには影響がないのです。

ですので、流れ2は本当の緊張状態ではなく偽りの緊張状態なのです。

しかし、普通読者はその緊張状態が本当か、偽りなんか気にせず、「主人公ヤバそう負けそう」→「主人公逆転勝ちした気持ちいい」という読み方をするので特に問題はないです。

問題はないんですけど、気になったので書いた所存でございます。

以上です。お読みいただきありがとうございます。

まだ「王国編」については思うところがあるので、時間があるときに続編を書きたいと思います。

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