見出し画像

釣り師に見る『フリーランス』とは

 日経電子版の記事【プロ釣り師の収入源 奥深さ、文章や言葉で伝える
海と水辺の散歩】は、(素人)趣味の「釣り人」でも、水産業にたずさわる「漁師」でもない、プロの「釣り師」の収入源について率直に、ある意味網羅的・体系的に語られており、興味深い内容です。



 この記事を通読して最も印象的に感じたのは、「(記事より)誰もが思いつくであろう魚の販売は、ここではあえて除外させてもらう。魚を売って生計を立てるのは、釣り師ではなく漁師さんの仕事と考えるからだ」という言葉にもあるように、あくまで一般論ですが、「釣り師」の体現しているもの、目的が、釣り上げた「魚」自体ではなくて、その魚を「釣る行為」、「釣る行為」の巧みが呼び覚ます驚異・冒険であり、感動であるという点です。

 つまり、「釣り」のスキルそのものに、技術として、芸術としての『価値』があって、その『価値』が、映像・文章・商品開発など様々な分野へと開花している訳です。

 記事からそれらをピックアップしてみると――

▶「釣り師」の収入源

① 雑誌・新聞・書籍の原稿料

② TVの出演料監修料

③ 釣り具メーカーの販促・商品開発へ協力する契約金

④ メーカーの道具のテストに出向いた日当

⑤ メーカーのイベントの出演料

⑥ アイデア提供によって作られた釣り具等商品が売れた際の
 インセンティブ

⑦ 大会に出場して得る賞金

⑧ ガイド料

⑨ YouTube等への動画投稿による広告収入



 一介の素人である『趣味人』が、そのスキルを磨き上げた先の人生の分岐点には、もちろん、そのまま『趣味人』として生きる道もあるでしょうし、そのスキルを活かせる企業に就職して『ビジネスパーソン(産業人)』となる道もあるでしょう。
 そして、今回の記事のように、第3の道、企業には属さず独立した個人として自活する『フリーランス』としての道には、自分のスキルを思いのまま多方面に、旧来の文筆・ガイドといったものから、最新の潮流であるユーチューバーとしての動画投稿まで、多様な活躍の場がある事が再確認できました。
 『フリーランス』を『自由人』と翻案すべきか、まだ分かりませんが、『フリーランス』という存在に、その厳しさと同時に、その魅力も感じることは禁じえません。



#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?