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『派生商品戦略』~ブランド、変える所と変えない所~

 日経電子版の記事【日本ハム、シャウエッセン「いじらぬ」不文律見直し
発売35年 若者開拓へ派生品続々】は、「(記事より)伝統の味や規格をいじらない」という不文律から一転、派生商品の開発を加速する「シャウエッセン」のブランド戦略に関する興味深いリポートです。



 確かに、確立されたブランドというものは、そのブランドが確立された時代に最適化している訳で、そのブランド戦略を「いじらぬ不文律」で押し通せば、時代の変化、消費者の変化から取り残され、特に後から出てくる若い世代の取り込みが覚束なくなるだろうことは否めません。

 ――「いじらぬ不文律」戦略では、時を経るにつれ、そのブランドが獲得した顧客層が高齢化するのに合わせ、ブランドそのものが古くなり、市場が縮小していく事になりかねないのです。

▶古くなるブランド
 ブランド               (時間軸)
    ⇩                  ↓
  成長                   
    ⇩                  ↓ 
  確立====顧客=生活シーン= 時代   
    ⇩     ⇩    ⇩      ⇩         ↓
いじらぬ戦略 = 高齢化 ≠≠変化===変化   
    ⇩                    ↓     古くなるブランド・・・若い世代を取り込めない

(ブランドが確立された時には、時代=生活シーン=顧客と一体であったものが、「いじらぬ戦略」では、時間の経過と共に時代=生活シーンの変化から取り残され、古くからの顧客には愛され続けても、新規の顧客は獲得できず、市場が縮小していく。)



 その意味で、派生商品という形でブランドの新陳代謝を図ってゆく『派生商品戦略』は、ブランドを、時代の変化⇨生活の変化⇨求められるUX(ユーザーエクスペリエンス)の変化に文字通り敏感に変化対応させて、ブランドの裾野を広げ(ブランドのエクステンション)、新規の顧客を獲得してゆくことに繋がる、と言えそうです。
 ブランドの根幹をなす部分は変えず、逆に知名度などその強みを生かして、消費者の変化にも敏感に対応する派生商品を出す、その結果、もともとのブランドを含めたブランド総体でのブランド価値が向上する、そのような『派生商品戦略』には卓越したものが感じられます。

▶新陳代謝するブランド

ブランド

派生商品戦略

ブランドのエクステンション

ブランド価値の向上

新規顧客の獲得



(追記:『派生商品戦略』については、下記の拙稿でも考察しています。)




#COMEMO #NIKKEI

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