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ダイジェスト版の難しさ

 日経電子版の記事【博報堂DYMP、ドラマのダイジェスト版を自動生成】によれば、AIにできるコトがまた一つ増え、ドラマのダイジェスト版の自動生成 が可能になったとの事です。



 この記事を読んでつくづく思うのは、AIに限らず、人間が行う場合も同じですが、動画や文章など、様々なコンテンツのダイジェスト版を作成する難しさです――

▶ダイジェスト版を作成する難しさ

(1)『趣旨が変更されていないか』・・・ダイジェスト版を作成するために
   著作物の一部を切り取る際、切り取る範囲を過つと全く違う趣旨に
   なってしまう事もあり得る。

(2)『ネタバレ』・・・著作物によっては、最も肝心な部分、トリック・
   エンディング・山場などには触れてはならない。

(3)『編集』・・・編集の際、思想・思い込み・勘違いなど、様々な
   バイアスが意識的・無意識的にかかることで、趣旨が180度変わって
   しまう事も
あり得る。

(4)『ストーリー』・・・編集の際、ストーリーが原作と微妙に違ったり
   すると、受け手に誤った印象を与えてしまいかねない(「えっ、
   こんな話だったの……がっかり……」など)。

(5)『加工』・・・ダイジェスト版を作成する際、話を繋げるために、
   原作にはない文言などを付け加えるなどの加工には、当然のこと
   ながら注意が必要



 まだまだあるかも知れませんが、相当神経を使わなくてはならない作業なのは間違いなさそうです。AI自動生成では、このような課題をどのようにクリアにしたのか、記事からはうかがうことが出来ませんが、いずれにしても、AIが作成したダイジェスト版は、『原作』をちゃんと見た(読んだ)、『原作』を熟知した人間の手によるチェックが必要そうです。

 その事を前提に、改めてダイジェスト版AI自動生成のポテンシャルを整理してみると――

▶ダイジェスト版AI自動生成のポテンシャル

(1)『省力化』・・・省力化・省人化、人的リソースのより創造的な
   タスクへの再配置の効果は大きい。

(2)『バージョン』・・・いくつかのバージョンを作って、配信先・時間等
   に最適化した配信を行う、などの活用。

(3)『フィーチャー』・・・出演者など特定のキーワード、テーマに焦点を
   当てたダイジェスト版を作れる。

(4)『長さ』・・・様々な長さのダイジェスト版を効率的に作成できる。


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