『天使の翼』第11章（90）～吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー～

　あとの二人がそのまま逃走を続けるのか、息詰まる瞬間が過ぎ……デビル・ハンター二人は、ついに両手を挙げてＳＳＩＰの兵らに向き直った。
　わたしは、シャルルの顔を見た。
　彼は、頷いて――
　「これは重要だ。彼らは、そのまま逃げることも、倒れた仲間を殺めて口を塞いでから逃げることもできたはずだ……」
　「同志愛かしら？」
　ローラが言う。
　シャルルは、しばらく考えてから――
　「彼らが何をしたにしろ、第一に、彼らこそ、今回のＳＳＩＰの捜査対象だったに違いない――ＳＳＩＰは、彼らを全力で追った……できれば生きたまま捕えようとしていたから、何であれ事件の最終解決段階とは思えないな……」