『天使の翼』第12章(14)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
少しは冷静さを取り戻したわたしの視界に、SSIPのエアカーから放り出されたと思しい機材などが、あちこちと見えてきた。パニックに陥っていてさっきまでは見えなったのだが、どうやら、この大雑把な『掃除』、SSIPのメンタリティーそのものの表れのようだ。
シャルルはおろか動くもの、生き物の姿は何も見えない。……シャルルが偵察に出たのなら、付近に民家はないか、今夜をどこでやり過ごすかを探りに行ったとしか思えない……どうやら、シャルルが自分から戻ってくるのを待つ他ないようだ……だとしたら、何か使えそうなものを見付けるべきでは――
わたしは、まず、めぼしい機材のありかを複数頭に叩き込んだ。この高みから降りてしまえば、岩の間に散らばっているSSIPの置き土産の所まで、記憶した地図だけが頼りだ……シャルルが戻ってくるまでに何か見付けて、喜んでもらいたい……
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