『天使の翼』第10章(119)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「――どうやってこの星を出るか?」
シャルルが話を進めていた。
「ローラ、君は身一つで出れるかい?」
「……そういえば、携帯端末が――」
ローラの顔がさっと蒼ざめた。
シャルルが端末の入ったズックのことを話して聞かせた。
「それだよ」
ローラとわたしは、お金(マネー)でもあり、身分証(ID)でもある端末を、ありがたく回収した。
「いいわ!他のものはみんな捨てていく。……ただ、この格好じゃ。ちょっと寒いかも」
ローラは、例の大胆なワンピースのままだった。今はいいけど、他の星に行くにはちょっと――
「三人とも、宇宙港でショッピングだね。問題は、このどでかい飛行艇をどこで乗り捨てるかだな……」
人里離れた所でないとまずいし、かと言って、あまり辺鄙なところだと、ラプラスの宇宙港までのアクセスを確保できないだろう……。
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