見出し画像

何を目標にするかで変わる結果~一見もっともらしい目標が要注意~

 日経電子版の記事【「客数より宿泊数に重点を」 沖縄ツーリスト・東会長】は、沖縄観光の現状と未来に関して、根本を押さえた鋭い指摘がなされていると思いました。そんな中で今回注目したのは、次の件です――

「そろそろ目標を頭数から延べ宿泊者数に変えた方がいい。沖縄の観光客数はハワイに迫るが、観光収入は3倍の差がある。延べ宿泊者数が約6千万人泊のハワイに対し、沖縄は2100万人泊だからだ。観光収入を増やす手段として延べ宿泊者数を重視すべきだ」


 この指摘は、一般論として『目標』の設定、あらゆるプロジェクトの出発点にある『目標』の設定がいかに重要であるか、改めて教えてくれているように思います。

 そもそも、観光業の『最終目標』は、ESG、サスティナビリティ(持続可能性)が前提ですが、観光収入の最大化であるはずです。その『最終目標』を達成するための『大目標』のピントがずれていては、『最終目標』にはなかなか辿り着けません。

 観光客数という『大目標』は、一見もっともらしく思えますが、一人ひとりの観光客が何泊したかという量的なふくらみ、観光収入に直結する要素が欠落しており、観光収入という『最終目標』にふさわしい指標ではないのです。延べ宿泊者数という正しい『大目標』を設定してこそ、「どうすれば宿泊日数を増やせるだろう」という正しい問いかけ、その解としての施策が生まれてくるはずです。


 『最終目標』が不適切では元も子もありませんが、『最終目標』達成のための『大目標』が、『最終目標』の数値を導き出す方程式の基本的な項目を取り込んでいること(今回の事例では、宿泊数)が決定的に重要です。何を大目標にするかで、採られる施策も変わってしまい、最終目標という結果を出せなくなる可能性があります。私達の周囲には、一見もっともらしく思えて、実は間違った目標設定が、いくつも野放しにされているのかも知れません。


ESGなど

最終目標=A×B×C×・・・

大目標(A・B・C・・・のうち外せない要素を取り込んでいる)

正しい施策

目標達成


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?