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スペースデブリにAIとロボの出番
地上で暮らす私達の遥か上空、宇宙空間を高速で周回する物体同士が、突然出合い頭に衝突する恐ろしさは、映画のワンシーンにもなりそうですが、実際に宇宙へと進出していく人類にとっては放置できない問題のはずです。
増え続けるスペースデブリにどう対処したらいいのか、日経電子版の記事【宇宙のごみ、官民で「お掃除衛星」開発】、【宇宙ごみ、衛星のエンジンで掃除】は、その現状と将来を示した好リポートだと思いました。
そもそも、ゴミというものは、出した人(発生させた人)が、ルールに従って片付ける(処理する)のがコモンセンスなはずです。つまり、スペースデブリの掃除という作業(事業)には、次に掲げるような要素が関わってくるはずです――
●スペースデブリを排出した者(企業・組織・機関など)
●スペースデブリを掃除する者
●スペースデブリを管理する者
●スペースデブリに関する国際的ルール
●スペースデブリを除去するテクノロジー
長年に渡って排出されてきたスペースデブリですが、現状では、宇宙条約、国連宇宙空間平和利⽤委員会(COPUOS)のスペースデブリ低減ガイドライン、機関間スペースデブリ調整委員会(IADC)の活動などを通して、徐々に上記の5項目の要素が明確になってきつつあるようです。そんな中、最も肝心なものの一つが、スペースデブリの除去技術であることは間違いありません。それなくしては、全てが絵に描いた餅になってしまいます。
重要な事は、スペースデブリを除去するテクノロジーを開発すること、そして、デブリ除去を事業化することが、最も身近な宇宙事業の一つとして現実味を増してきた事ではないでしょうか。この事業を軌道に乗せることの出来た企業は、そこを足掛かりにして、さらなる宇宙事業へとイノベーションの連鎖を拡げていくポテンシャルを勝ち得る事になると考えられます。
スペースデブリを除去するテクノロジーを開発することは、単に深刻なスペースデブリ問題の解となるだけではなく、本格的な民間宇宙開発の扉を開き、草創期から成長期へとステップアップすることになると考えられます。その際私達人間の重要なパートナーとなるのが、人工知能AIとロボットであることは想像に難くありません。広大な宇宙空間ほど、私達人間とAIとの協働が求められる場所(スペース)はないのではないでしょうか。
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