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『天使の翼』第10章(126)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 わたしとローラは、絶叫するのもほどほどにして、商品の棚に取り付いた。
 その時になってようやく店の奥から出てきた主人――年配の、上から下までジーンズで決めた渋いお父さんが、特にいらっしゃいを言うでもなく、ニヤニヤしてわたし達の夢中な様子を見ていた。
 シャルルと何か話している様子だったが、もうどうでもいい、って感じ……
 もし、シャルルから止められなかったら、どれだけ買っていたか分からない――ローラと違って、本当は日用品以外何も買う必要はないのに。もし、これが普通の、何もない時のショッピングだったら、大変な散財になっていたことだろう。
 結局、わたしは、身頃の短い――おへそが出るって事――シャツ、そして、いつの時代のものとも知れない、とても古い、それでいてとても垢抜けたロング・スカート――きわどいスリットや体のラインを強調するような計算されつくした切り替えしの入った、着古した感じのたまらない逸品――を買った。スカートのタグは、擦り切れすぎていて読めなかったけれど、少なくともわたしの知っているブランドではない――大発見!

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