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『天使の翼』第12章(4)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
そして、歓喜がわたしをおそった。――シャルルだ!シャルルに違いない。わたしを助けた彼は、わたしを茂みに隠して、周囲の偵察に行っているのだ!
(シャルルの配慮を無にしてはいけない)
わたしは、用心深く行動することにした。SSIPの連中は相当やられていたけれども、全滅とまではいってないだろうし、増援部隊が来るに違いない――いや、もう来ているかも知れない。デビル・ハンター達だって、わたし達のような……そう、ローラも捜さなくては――生き証人には、いてほしくないと思うだろう……
わたしは、今から思うと悲しく滑稽な話だが、砂地の上に腹ばいになって、そろそろとすり鉢状の斜面を登っていった。登るにつれ徐々に上方に開けてきた視界からして、ここは森でも林でもなく、それどころかほとんど植物の生えていない、岩だらけの土地だと思われた。墜落直前の記憶通りだ。
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