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『天使の翼』第12章(37)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「鉱山のことばかり考えてたけれど、林道かしら……」
わたしは、独り言をいうことに全く抵抗を感じなくなっていた。不思議なことに、怖がりのわたしが、この闇夜に荒野を一人で横断しているというのに、お化けや野獣のことは全く念頭になかった……疲労から、警戒心が麻痺していた、とも言えるし、変に神経質になってなかったから、どんどん先へ進めたのだ、とも言える。
「ままよ!」
わたしは、謎の九十九折に足を踏み入れた。
――入ってすぐ分かったのは、雑草に隠れた地面は、結構でこぼこしていて歩きにくい、ということだ。変な所に小さな穴ぼこがあったりして、思わず足をとられそうになる。……試行錯誤の末、わたしは、道の中央部分が比較的平坦で、人間の歩行に適していることを学習した。
「これはいいわ!」
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