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すぐそこにあるイノベーションの種

 日経電子版の記事【さらば蓋の重し、共同印刷がカップ麺でピタリ素材】は、カップ麺をお湯で温める時に生じるあの難問――「蓋が開いてしまう」、「蓋が密閉できず熱が逃げてしまう」――を見事に解決するアイデアを紹介しています。



 カップ麺をお湯で戻す時、蓋の縁を折り込んでみたり、箸で重しをしたりと様々に試みますが、どれも密閉とはいかず、隙間が出来てしまい、戻りが悪いような、食べる頃には冷めてしまうような不満を感じたことのある人は、それこそ無数にいると思います。問題は、なのに何故、今の今までこんな身近な生活課題が解決されてこなかったのでしょうか?

 ――「あまりにも身近で些細な事だから」、「商品の味をはじめとして、他にもっと大切な課題があったから」、「あまりにも当たり前の事で、課題として認識されなかった」、「この位の不便は、消費者に丸投げしてかまわない……」……。実は、こういったごく身近に転がっている課題、消費者のちょっとした不満こそ、宝の山、イノベーションの種なのではないでしょうか?



 多くの消費者の「ぼやき」=多くの消費者に共通の不満を解決する事は、消費者の共感を獲得する一番の近道かも知れません。ちょっとした、些細に見える課題を解決していく中から、やがて大きなイノベーションが生まれるのではないでしょうか。多くの人をうならせることの出来る圧倒的なイノベーションの課題は、私達の身近なところを離れた、どこか遠い所にある訳ではない、と思います。

 『イノベーションの種』は、私達のごく身近で、ひっそりと、誰かが目を留めてくれるのを待っているはずです。



#COMEMO #NIKKEI

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