![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/103212583/rectangle_large_type_2_c1eeeb82ca898b3e2ef42b68a4432b34.jpeg?width=800)
『天使の翼』第11章(25)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「そんなおおげさなものじゃないのよ。……何と言ったらいいかしら……うーん……心の襞のレベルね」
『心の襞』ときた。――わたしに言わせるなら、小さな感情の積み重ねは、やがて大きなうねりとなる。心の動きは、幾何級数的なのだ……
……級数的といえば、どんどん強くなるかに思えた背後のビル風が、いつの間にかぴたりとやんでいる――気温の上がる気配が、辺りの空気中に漂っていた……
「……デラは、とても人気があるのよ――反対に大嫌いだという人もいるみたいだけれど……彼女という存在に接すると、人は皆、好きか嫌いか、白黒つけることを迫られるのね……強い個性のある証拠だわ」
わたしには、彼女の言うことがよく分かった。常々そういう強い女性になりたいと願うのだが、わたし自身は……自分で言うのもなんだけれど、人から好かれるタイプのよう……媚びてるつもりは全くないのだけれど。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?