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『天使の翼』第10章(125)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 男性のシャルルはどうでも良さそうな顔をしていたけれど、わたしとローラは、正直落胆の度が著しかった。色々とつらいことが続いただけに、服でも買って気を紛らわしたかったのに……こんなお店じゃ、年配者向けの野暮ったい服しかなさそう……
 「……見て、デイテ、相当古いポスターだけど、モデルは若い女性みたい……」
 「……ちょっと待って、ローラ!ここ、ジーンズのお店みたい――」
 わたしは、人類の歴史と同じくらい古い――と言うと、ちょっとおおげさかしら――ジーンズ・ファッションの大ファンだった。セクシーなデザインのアンティーク物になら、お金に糸目は付けない。ゲットした者勝ちだもの……
 軋む木の扉をぐいと押してお店に入ったわたしとローラは、思わず抱き合って嬌声を上げていた。
 ジーンズ、ジーンズ、ジーンズ!――ジーンズの山だ!パンツからスカート、ジャケットにコート、シャツにジャンパー――古い!なんとも言えない色落ち具合、風合い、そしてどこか懐かしいにおい……サイズも、わたし好みのぴちっとした小さ目のものから揃っていた……
 まさか地球時代の歴史的遺物がこの中にあるとまでは言わないけれど――その種のものは、全て博物館か大富豪のコレクション・ルームに収まっている。いずれにしても生地が弱りすぎてて着れはしない――まさに、お宝の山!

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