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ビジネスを考える

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2020年2月の記事一覧

ネットが仕掛けるネットとリアルの融合

 日経電子版の記事【メルカリ、リアルに活路 初の実店舗展開】は、ネットがリアルに進出し、また、リアルがネットに進出しと、ネットとリアルの融合したオムニチャネル戦略が脚光を浴びる中、いよいよメルカリがリアルに活路を求めだした、というリポートです。  さっそく記事からメルカリのリアル戦略をピックアップしてみると―― ▶メルカリのリアル戦略(1)「メルカリステーション」   ①「メルカリ教室」・・・出品経験が無かったり浅かったりする潜在顧客             層の開拓へ向

逆転の発想~駄目だと言われているモノが実は一番良い場合~

 日経電子版の記事【海なし県の地魚 長野の湧水で育てた「黒耀キャビア」 信越とっておき】は、海なし県長野で生産される、臭みや癖が少ない、クリーミーでコクもあるキャビアのごく短いリポートです。  この記事の肝は、何と言ってもチョウザメを養殖するのに使う「水」に関する逆転の発想でしょう―― ▶「水」に関する逆転の発想〇常識的には⇨水温が低く栄養が少ない水では魚が育たない。 〇逆転の発想では⇨「(記事より)純度の高い湧き水で育てれば臭みのない          高級魚として売

『暗黙知』の見える化

 日経電子版の記事【南部鉄器などの職人技、スタートアップがAI伝承】では、職人技をAIなどでデジタル化し技能伝承などに活用しようという施策がリポートされています。  確かに、職人など多様な技能者が持っている、未だ言語化されていない、経験・勘に基づく知識=『暗黙知』は、技能者の高齢化・人手不足など色々な要因で次世代への継承が困難となってきており、このままでは、貴重な日本のモノづくりの伝統が様々な生産現場で断絶してしまう恐れがありそうです。  また、翻って広くビジネスの現場を

『派生商品戦略』~ブランド、変える所と変えない所~

 日経電子版の記事【日本ハム、シャウエッセン「いじらぬ」不文律見直し 発売35年 若者開拓へ派生品続々】は、「(記事より)伝統の味や規格をいじらない」という不文律から一転、派生商品の開発を加速する「シャウエッセン」のブランド戦略に関する興味深いリポートです。  確かに、確立されたブランドというものは、そのブランドが確立された時代に最適化している訳で、そのブランド戦略を「いじらぬ不文律」で押し通せば、時代の変化、消費者の変化から取り残され、特に後から出てくる若い世代の取り込み

テクノロジーの進化とプロダクトの陳腐化

 日経電子版の記事【アニメを1日で4K、8K対応に ラディウス】は、AIを使って一般的な解像度のアニメ映像を高精細の4K・8Kに変換するサービスに関するごく短い記事です。  4K・8Kテレビの販売がどれだけ増えても、肝心のそれに対応するコンテンツが少なければ始まらない、という課題の卓越したソリューション(解決策)となりうるこのサービス、記事によれば―― ▶4K・8K変換を可能にするAI①『学習』・・・AIは、幅広い解像度の動画・静止画を深層学習。 ②『処理』・・・AIは

リアル店舗の「接客なし」はありか?~お客とお店の双方にとってWin-Winの接客~

 日経電子版の記事【化粧品のSHIRO 「対面販売なし」の店】では、リアル店舗で実際に商品を確認したいけれど、自分のペースで買い物をしたい顧客をターゲットに、「接客なし」で、商品説明はQRコードをスマートフォンで読み取って聞くシステムを採用した事例が紹介されています。  確かに、接客が煩わしくストレスになる、嫌だな、そういうお店に行きたくない、というのはあるかも知れません。  ですが、実際には、悩んでいる時に絶妙のタイミングで聞きたかったことをアドバイスしてくれる、そんな

派生商品のポテンシャル

 日経電子版の記事【サントリー「BOSS」、レモンティーなど派生品続々】では、働き方改革・テレワークと多様化する働き方など様々な飲用シーンに対応した商品を、有力ブランド「BOSS(ボス)」の派生商品として拡充するサントリーの施策がリポートされています。  さっそく、記事などからそれら派生商品を整理してみると―― ▶「BOSS(ボス)」の派生商品(1)ブランド本体   ① 「BOSS(ボス)」缶コーヒー (2)派生商品   ② 「クラフトボス」ペットボトルコーヒー   ③

究極のMaaSとは

 日経電子版の記事【欧州地図大手のMaaS戦略 「超ピンポイント・ナビ」へ】は、欧州のデジタル地図サービス企業「HEREテクノロジーズ」の推進する最先端の次世代交通サービスMaaSに関するリポートです。  さっそく、記事などから、MaaSを突き詰めると、一般論としてどのようなサービスが可能となるのか整理してみると―― ▶MaaSを突き詰めると……(1)鉄道・バス・タクシー・シェア自転車・配車サービスなどを一括で   経路検索。 (2)友人・知人との相乗りをマッチング。

決して忘れてはならない『モノづくり』の重要性~IoT‐AI時代を生き抜く~

 日経電子版の記事【「エネルギーハーベスティング」 携帯電波で発電 Nexttech2030】は、現在進行形の第4次産業革命の時代に爆発的に増えていく膨大なIoTデバイスのセンサーを実際のところどうやって稼働させるのか、その電力問題の解となる『エネルギーハーベスティング』(身の回りにある熱・振動・電波など様々な低密度エネルギーを捕捉して電気エネルギーに変換するテクノロジー)に関する大変興味深いリポートです。  確かに、第4次産業革命の進行と共に、IT化が進行し、IoT‐AI

スイス勢に追い付けるか、国産機械式腕時計

 日経電子版の記事【国産腕時計「ちょい高」 機械式、職人技で売る】は、スマートウオッチ(腕時計型端末)台頭の陰で、実は出荷額の右肩上がりの伸長が観測される国産機械式腕時計に関する興味深いリポートです。  密やかなブーム、とでも言うべき国産機械式腕時計ですが、気になるのは、ここを踏み台にして有名スイスメーカーに肩を並べるブランドへと成長できるかです。  記事などから、その為のポイントを拾ってみると―― ▶有名スイスメーカーに肩を並べるには……① 日本の職人が匠の技を駆使し

待ったなしの地球温暖化対策

 日経電子版の記事【温暖化がコメ脅かす 低品質米が40年代に2倍に】は、地球温暖化に対して何も手を打たなければ、コメが白く濁って見える白未熟粒の「低品質米」のコシヒカリでの発生率が2040年代に10年代の2倍に増える、と警鐘を鳴らすリポートです。  花が咲いた後の実が大きくなる時期に高温にさらされると、でんぷんが十分に詰まらない為に、実の中で光が乱反射して、透き通らずに白く見えるのだそうです。  ……この記事を読んでつくづく思うのは、地球温暖化の影響が様々な場面で顕在化し

道具とコミュニケーション~自然界の生存戦略に学ぶ~

 日経電子版の記事【自然に学ぶ"弱者の戦略" 競争を避けて生き残り】は、決して体が大きく力が強い生物ばかりが生存している訳ではない自然界で、弱者がどのようにして生き抜いているのか、その生存戦略に迫った興味深いリポートです。  さっそく、記事からその一例をピックアップしてみると―― ▶弱者の生存戦略①『不人気戦略』・・・厳しい環境にあえて進出して、そこで得られる          メリットを占有する。  (例)ハコベ・・・道端など踏まれやすい環境でも生き残れる柔らかい葉と

年2000回ワークショップを開催するホームセンターに学ぶリアル店舗の体験価値

 日経電子版の記事【年間2万人が受講 グッデイは学べるホームセンター】は、年2000回ほどもワークショップを開くという並外れたホームセンターに関する興味深いリポートです。  このホームセンターのワークショップ、年2000回ほども開かれるだけあって、記事からピックアップ出来るだけでも実に多彩です(グッデイのホームページを見るともっとすごいです)―― ▶グッデイのワークショップの一例① 木製ベンチ・ローテーブルなどを作るDIY ② 園芸の寄せ植え ③ ロボット工作 ④ 

ファミレスのデジタルトランスフォーメーション

 日経電子版の記事【すかいらーく創業50年、次世代ファミレスへ進化中】は、「全国一律・同一商品・同一価格」の『メニューブック』に象徴されるスケールメリットの古いビジネスモデルからの脱却を目指す「すかいらーく」の姿を見事に捉えた好リポートだと思います。  確かに、ファミレスを取り巻く昨今の情勢は、スケールメリットだけに頼った効率化では対応しきれない様々な課題(相互に絡んで相乗的な影響を及ぼしてくる様々な要素)に直面していると言えます―― ▶ファミレスを取り巻く環境の変化①