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コロナ禍を経験し、それでも結婚式が必要とされるある1つの理由。

◆私のブライダル業界との出会い

ブライダルの業界に携わり四半世紀が過ぎ、28年目となりました。

大学を卒業後、1994年(平成6年)に新卒で冠婚葬祭の互助会系の会社にて社会人デビューし、その後2002年(平成14年)に、ゲストハウスウェディングの会社へ転身。現在に至るまで日々ブライダルの第一線で過ごしてきました。

最近では、挙式のスタイルもチャペル挙式が全体の50%以上を占める主流のスタイルとなっていますが、入社当時1990年代はまだまだ神前挙式が中心の時代で、私も神前にて挙式を執り行ったひとりであります。

ウェディングパーティー会場の流れも、昭和の時代に全国に広まった互助会系のいわゆる専門式場からホテルウェディングへ、そして料理の対決番組の影響も追い風にレストランウェディングが流行し、更に海外リゾートウェディング、その後2000年代に入りゲストハウススタイルのウェディングが瞬く間に広がりを見せました。その間、派手婚、ジミ婚、授かり婚など、その時代を象徴するような様々な呼び方をされてきました。

そのような中、実はぜひ目を向けてみてみたいのが、カップルが結婚式に求める「ニーズ」も時代の変化と共に変化していることです。

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◆私が見てきたオリジナルWからアットホームW、そしておもてなしW

私がこの業界にお世話になる一年前の1993年(平成5年)にリクルートよりブライダル情報紙ゼクシィが創刊されました。

その当時の結婚式はパッケージ化され、どのカップルもほぼ同じワンパターンな進行のもと披露宴が行われることが普通でした。そこでカップルたちは、人とは違う、自分たちらしい結婚式を挙げたいという思いが芽生え、【オリジナルウェディング】という言葉が一世を風靡し、様々な種類の招待状やテーブルコーディネート等のウェディングアイテムで二人らしさを演出できることを競い合うこととなりました。

やがて個性を重視したオリジナルウェディングが浸透し、次にカップルが結婚式に求めるニーズは、ゲストと一緒に楽しめるカジュアルでアットホームな結婚式が挙げたい!そこで登場したのが【アットホームウェディング】。ホームパーティー風にゲストと一緒にクイズやゲームで盛り上がり、プール付きの専用ガーデンではデザートビュッフェやバルーンリリースに記念撮影。このニーズが2000年代のゲストハウススタイルの結婚式場の登場と重なり、今では当たり前のハウスウェディングのブームを牽引しました。

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そして最近の結婚式では、カップルはホスト目線で大切なゲストをおもてなしするという意識と傾向が強まり、ゲストに提供する「お料理」「交通の便」を第一に重視したり、ゲストを飽きさせず楽しんでもらいたいという気持ちが最近ではよく耳にする「サプライズ」という演出に表れ、【おもてなしウェディング】を希望するニーズが主流となりました。

この二十数年の結婚式を間近で見ていると、結婚式に対するカップルのニーズの軸は二人の自己表現・自己満足型の結婚式から、ゲスト満足型へゆっくりとシフトしてきたように思います。(本来の結婚式披露宴の趣旨は、「これから親から独立し、新しく世帯を持つ私たちをどうぞよろしくお願い致します。」と、これからお世話になるであろう大切な方々をお招きして、おもてなしするという意味から考えると、ようやくまた本来のあるべき姿に近づきましたと感じています。)

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◆これから必要とされる結婚式、【想いを伝える結婚式】

ただこの一年、コロナ禍を経験し、私たちブライダル業界としても従来の結婚式の必要性や在り方から議論され、見直されてきています。そして、このピンチが逆に結婚式の価値をアップデートするには絶好のタイミングだとも考えています。

また、特にこれからの世代にとって、ITやスマホ・5G等の普及で利便性は格段に上がり「物質的な豊かさ」は高まる一方で、自分自身の気持ちや想いを直接自身の言葉で大切な相手に伝えるというコミュニケーションの質や機会が問われています。これからはまさに気持ちが繋がり合う「精神的な豊かさ」がより一層大切になると私は考えています。

そう考えると、結婚式というのは、数か月の準備期間に今までを振り返り、大切なゲストや両親へ思いを馳せ、日頃伝えることのできない感謝の気持ち今の想いを言葉や手紙に託し、結婚式という特別なステージを通してその想いを「カタチ」にして伝えることができます。

このような【想いを伝える結婚式】がこれからは必要とされ、その日の特別な素晴らしい「体験」「経験」がその人にとってかけがえのない価値となり人生の糧となると信じています。これからの時代、贅沢にお金をかける必要はなく、それぞれの考えるスタイルややり方で伝え合って良いと思っています。

この『想いをカタチにする結婚式』を経験するのとしないのでは、その後の人生における豊かさや価値観にも大きな影響を与えてくれると考えています。

「結婚式は人生の分岐点になる。」

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『想いをカタチにする結婚式』=『コトノハウェディング』※言の葉(言葉)は、想いをカタチにするもの。想いをコトノハに乗せて伝えカタチづくる結婚式。

https://www.arcadia-group.co.jp

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