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ぼくら夫婦が”お互いへの劣等感”を消し去ることができた三つのステップ。

(私はいつもうまくいかないのに、なんでこの人ばかり……)

決して口には出さないけれど、実は心に閉まっているパートナーへの劣等感がある。

ぼくらもあるし、夫婦関係相談をしてくれる方からもそういった話を聞くことがあります。

なんで、この人ばかり仕事がうまくいくの?

なんで、この人ばかり何もかもうまくいくの?

なんで、この人はこんなに友だちが多いの?

なんで、なんで、なんで……。

そんな思いが頭の中をグルグルとまわり、パートナーに話すこともできなくて、ただモヤモヤだけが募っていく。

そんな経験はないでしょうか?

ぼくにもそんなことがありました。(実は今でも感じることがあります)

パートナーへの劣等感との向き合い方について、今日は書いてみようと思います。

パートナーに劣等感や嫉妬を感じるときって、なんだかイヤな気持ちになりますよね。

こんなことを考える自分はダメな人間なんじゃないか。
妻を妬むなんて自分はなんて卑しい人間なんだ。
自分の努力が足りないだけなんじゃないか。

相手を素直に(この人はすごいな)と思えればそれでいいのに、そうできないと自分の不完全さがどんどん大きくなって、すごくイヤな気持ちになります。

ぼくの妻はすごく社交的で友だちがたくさんいるんです。ぼくとは真逆なんです。

妻の30歳の誕生日パーティでは数えきれないほどの友だちがうちに遊びにきて、妻の社交能力の高さに驚かされました。

その時は単純に(この人はすごいな)としか思っていなかったんですが、子どもが生まれると、ちょっとずつその気持ちが変わっていったんです。

ぼくは以前から少なかった友人と会う機会がどんどん減り、仕事を早く切り上げて、会社の飲み会も断るようになったので、ますます人と会う機会が減っていきました。

一方、妻は子育て支援サークルで知り合った友人ができ、しょっちゅうLINEをし、2ヶ月に一回はランチ会があり、たまに飲み会もあったりします。

しかも、学生時代との友だちとも縁は切れていないので、そちらの友だちと遊びに出かけたり、うちに遊びに来ることもあるんです。

つまり、ぼくは出産によって少なかった友人がますます少なくなったのに対し、妻はどんどん友人が増えているんです。

こんなことで嫉妬を感じるなんてどうかしてるとは思うんだけど、どうしても妻がうらやましかったんです。

社交的に振る舞える妻が、子育てをしながらもどんどん友人の輪が広がり、悩みを話し合える友だちが増えている妻が、ぼくはうらやましかったんです。

こっちは家庭のために会社の人との付き合いを断り、家庭にコミットしているのに、妻と比べてしまうと、なぜか自分が寂しい存在に思えてしまう。

この世でひとりぼっちなんじゃないかという気持ちにさえなってしまう。

そんな気持ちを抱いて、悶々としていた時期があったんです。

だけど、ある日、妻から言われた言葉がきっかけで、その感情は変わっていきました。

「あたしはあっちゃんに劣等感を感じるの」

ある日、妻はそう言ったんです。

ぼくが文章を書き続けていること、決して多くはないけれどいくつかの記事は多くの人に読まれたこと、ポッドキャスト配信を2年間続けていること。

妻はそんなことに劣等感を感じていたそうです。

ぼくにとっては趣味のような執筆やポッドキャストが、妻にとっては劣等感の対象になっていたんです。

ぼくらは、お互いに口には出さないけれど、お互いに劣等感を感じ合っていたんです。

だけど、妻はこうも言ってくれたんです。

「あたしはあなたのファンだから。あなたの一番のファンだから」

あぁ、そうか。ただそう言えばよかったんだ。

相手にあって自分にないものをなげいてばかりいないで、素直に認めればよかったんだ。

この人のこういうところが好き。素敵。

自分の中にある素直な感情を認めて、それをただ口にすればよかったんだ。

そう思えたんです。

ぼくは妻の社交的なところが好き。いつも笑っているところが好き。冗談ばかり言っているところ。なんでも笑いのタネにしてしまうところ。

まるで太陽のように、まわりの人間を明るい気持ちにさせるところが好き。

素直にそう思えばよかったんです。

だけど、嫉妬ってやつはやっかいで、それに飲み込まれているうちは素直になれないんですよね。

妻と話すうちに気がついたんですが、パートナーに素直になるには三つのステップが必要になるようです。

一つ目は「パートナーに弱みを見せること」です。

相手から劣等感を感じられることでも、自分にとっては悩みのポイントになっていることってあると思うんです。

ぼくなんて、文章を書く時間がないとか、ネタがないとか、書いても書いても全然読まれなくてひたすら辛い気持ちになるとか、ポッドキャストを始めても全然聴かれなくて、誰もいない部屋で一人で喋っている狂人のような気持ちになるとか、もう数え上げればキリがないほど悩みまくって、落ち込みまくっているんです。今もそうです。

そういう悩みを妻に伝えると、(この人も大変なのね)と理解してくれるんですよね。

簡単に記事を書いているわけでもなく、なんの苦労もなくポッドキャストを2年も続けているわけじゃないとわかると、妻がこっちの味方になってくれたんです。

逆に、妻は「あたし、つい人に合わせてしまって疲れるの……」とぼくに言ってくれたんです。

あぁ、この人も人付き合いに苦労しているのかと思うと、親近感が湧いて劣等感がどこかに行ってしまったんです。

次は「パートナーのいいところを本人に伝える」です。

劣等感が薄れれば、相手のことを素直に受け止められるようになるので、今まで言えなかったいいところを言いやすくなるんですよね。

いいところをお互いに伝え合うと、お互いにポジティブな気持ちになれて、(応援しよう)という気持ちになりやすくなるんですよね。

最後のステップが「お互いへのリスペクト」です。

パートナーに弱みを見せることで、心のハードルがお互いに下がり、下がったハードル越しにポジティブな会話を続けると、お互いに単純なリスペクトが湧いてくるんですよね。

あぁ、この人はすごいな。素敵だなというリスペクトが。

そこまでくると、劣等感なんて霧のように消えていくんです。

今でもちょろっと劣等感を感じる場面はあるけれど、ぼくらがお互いに弱みを見せ合い、いいところを伝え合い、そこから生まれるリスペクトを大切にし続ければ、ぼくらは大丈夫なのかもしれない。

そう思うんです。



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