与那覇前浜

キャリアパスよりグロースパス

未来はわからないから面白い、未来は自分で創れるから希望がある。
Don't think career paths, think growth paths!

デザインは劣化する

全てのデザインは時間経過とともに劣化する、デザインをした瞬間から。3年後のキャリアデザインをしたとしよう。3年後には、そのキャリアデザインは3年前の古いデザインに劣化している。当たり前だろ、って? 

5年後にこうなりたいという、今ある役職や職種で、自分のキャリアをデザインしたとしてみよう。

5年後には、官公庁相手のIoTデバイス販売の営業マネージャー職になりたい。

デザインした瞬間から劣化は始まる。まず、官公庁相手のビジネスが5年後にどうなっているか、市場環境は不明だ、拡大か縮小か? また、5年後もIoTデバイスなんて存在しているのか? そのデバイスはスタンドアローンなのか、ビルトインなのか、5年も経てば小さくなっていることだろう。5年後に、そういうデジタルデバイスに営業は存在するだろうか?

誰もわからない、もはや現在から未来へと続く道は不連続で、同じ線上にないことは誰が見ても明白だ。5年前にあったけど、今はない職種や職業はいくらでもある。

私がよく聞かれる質問は、「飯室さんは、キャリアパスをどうデザインしてきたんです?」だ。これは間違った質問だと、突きかえすことにしている。

一般にキャリアパス、キャリアデザインといえば、辞書にはこうある。
「キャリアデザイン」とは、 自分自身の職業人生、キャリアについて、 自らが主体となって構想し、実現していくことをいいます。キャリアデザインでは、 自分の経験やスキル、ありたい将来像についてを考慮しながら、 自らの持つ能力を活かすための仕事、職務の形成を進めていきます。キャリアデザインの過程においては、 転職や職務の異動、職務内容のさらなる高度化などを図りながら、 ありたい将来像へと近づけていきます。

ありたい将来像を目指してはいけない

このありたい姿こそが曲者だ。未来のある一点での自分の姿を固定してデザインすることで、今考える分には、将来の姿かもしれないが、デザインした時点から劣化が始まり、未来がやってきたその時には、古い姿になっている。高速に変化する世界では、雇用も、会社組織も構造が変化し続け、1秒たりとも止まっていない。そんな変化の激しい世界で、誰も1年後のキャリアの姿さえも保証はしてもらえない。旅行代理店がネットによって駆逐されてしまったように、人々のライフスタイルも変わり、ビジネスの勝者と敗者は入れ替わる、そんな変化の時代に、ありたい将来像なんかを描いてしまうこと自体を間違っていることに気がついて欲しい。

そうした固定化した将来像のために、皆は何年かけてスキルを上げて、何年トレーニングを積んで、何年実績を積んで、という年単位でのキャリアデザインを考えるのだが、もはやそれは絵に描いた餅でさえもない。連続する時間軸の延長線上に自分のキャリアのありたい将来像があると考えた時点で、不連続な現実の世界では、夢物語でさえなくなる。しかも時間軸が水平方向に広がっていくので、縦軸にはより高いレベルの能力、スキル、職位や責任、給料、社会的な価値をプロットするのだが、それがキャリアなのだろうか、それがゴールなのだろうか?

「自分は、どんな人生を送りたいのか?」

にまず答えるべきだ。キャリアを人生の目的とする時点で間違った選択の始まりだ。キャリアはゴールではなく、キャリアは自らの成長の軌跡であり、結果でしかない。

自分が成長したいベクトルをセットする=グロースパス

描く(えがく)べきは、自分がどう成長していきたいのか、自分はどう変化していきたいのかというベクトルだ、方向性といってもいい。それには行き着く先であるエンドポイントはない、双六の上がりないのと同じだ。永遠にその方向へと成長し続けていくだけなのだ。

組織の中で、会社の中で、どう成長するかではなく、個人として、自分は何を成長させていきたいのか? その実現のための手段としての仕事であり、職種であり、職業であり、成長の道を歩むためのツールでしかない。

何を学び続けたいのか、どちらに向かって、成長を続けたいのか、何から学びたいのか、どうすれば学べるのか?

学びは失敗や間違いの中での気づきから得られるものだ、そうであれば、失敗を恐れず、可能な限りの短いサイクルの中で、多くの失敗から多くの気づきから学ぶことが、成長を加速する唯一の方法だ。

自分が成長し続けたいベクトルを定めたならば、刻々と変化する激動の現実世界の中で、リスクをとって挑戦し、失敗から学び、もう一度やり直す、終わりのない学びの旅だ。ただ、その成長の軌跡こそが、後からキャリアとして認識されるのに過ぎないのだ。それだけのことだ。

好きなことを、好きなように、好きな時に、好きな場所で、好きなだけ働くことで、成長し続ければいい、終わりはない、ただ向かう方向だけが決まっている旅なのだ。

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