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株式価値と事業価値

今回は、事業価値から株式価値までの計算について記載していく。

主にBS項目の例示と、事業価値から株式価値(一般的にはブリッジという)への計算方法、補足でデットフリー・キャッシュフリーの概念を解説していきたい。


事業価値:Enterprise Value(EV)とは

デットフリー・キャッシュフリーの事業価値(EV)と株式価値の差異を明確にしておかないと、実際のバリュエーション・M&A実務においてもBSのどの項目を非事業用資産もしくはデットライクアイテムに含めるのか、M&Aにおける意向表明書ではどのようにDraftしたら良いのかといった悩みが生じてしまう。

実際のM&A実務では、EVベースで評価額を議論する。例えば、「対象会社XのEVはXX法・XX法を採用しレンジを取った結果、おおむねXX~YY億円の範囲になる。そこからネットデット・その他デットライクアイテムを控除し、非事業資産等を加味して株式価値でZZ~XX億円の範囲・・」といった感じである。

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