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2014 春ドラマ

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2014年の春に放送された全てのドラマの説明
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『喰う寝るふたり住むふたり』

日暮キノコ原作のドラマ。同棲8年目のアラサー・カップルを描いたラブコメディ。

同棲8年目のアラサー・カップルによる、互いの考え方や性格の違いから生じる誤解やすれ違いを、両方の側から二度に分けて見せることで、ほっこりとした可笑しみに落としこんでいるが、意外とキツイ話。

自分には、金子ノブアキ演じるのんちゃんに所々リアリティを感じなかったのだが。ゆるい男女逆転モノだと考えると。膝を打つ恋愛あるある

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『ルーズヴェルト・ゲーム』

不況の波と同業他社との激しい競合で存亡の危機に陥る中堅精密器メーカーの社長が、会社存亡の危機から奇跡の逆転劇を見せようと必死にもがき奮闘する姿を描いたドラマ。

半沢直樹の原作者とスタッフが再集結し、もう一度人気と話題を当てにしているのだろうが。一見した感じだと、重厚な「大人のドラマ」然としたカッコつけた面は、スペシャルドラマ『LEADERSリーダーズ』の方が近い気がした。

このドラマは、経営と

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『新解釈・日本史』

誰もが知っている歴史上の出来事を新解釈するシュチエーションコメディ。

歴史上の出来事を、今の価値観、関係性、台詞で置き換えるって意味では、凄く順当なやりかた。それをいつもの福田雄一らしい、丁々発止のやりとりで映像化している。

それにしても、いつも思うんだけど。一つのシーンで行われるタイプの福田雄一コメディは、ドラマというよりコントに見える。そしてそのコントは、個人的な感覚になってしまうのだが、

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『リアル脱出ゲームTV』

これまでに数々の無差別爆弾テロ事件を巻き起こしたテロリスト「謎男」から、犯行予告が。謎男の陰謀を阻止する方法は、制限時間以内に謎を解くこと以外にない。爆破まで残り1時間。

以前『俺のダンディズム』の時にも書いた、バラエティ+ドラマのカテゴリにこのドラマも区分けされる。算数の問題上に出てくる「花子さんがりんごを3個買いました」というものと同じで。その買い物を通したメッセージやテーマを見出すことに意

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『なるようになるさ』

自宅レストランを舞台に他人同士が織り成す人間模様と、現代の家族のあり方を問うホームドラマとして人気を博した前作。またしてもワケありな面々をあずかることとなる。

他のドラマとリアリティラインが違うので、多少の違和感はあるものの、こういうのがたまにはあって良い。勿論橋田壽賀子だから、誰も文句が言えないせいだとは思うが。本当なら、主人公の夫婦は、人生に余裕のある恵まれた人間というだけでは説明しきれない

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『SHARK~2nd Season~』

メジャーデビューを果たした4人組ロックバンドCloud5。しかし、まっすぐに生きるが故バンド内の人間関係にはいつしか亀裂が入り始めていた。彼らの窮地に救ったのは、同じ事務所の後輩たちSHARK。一途に生きる男たちの、魂の再生を描く青春群像劇。

基本的には前作と全く同じ印象。新條まゆたんの「そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる!!」でお馴染みの画像と同じフォルダに入れてる。
少女漫画の様式を実写に落と

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『ファーストクラス』

ファッション雑誌の編集部という華やかな世界にあったのは、女同士の格付け地獄。女同士の果てしなき泥沼の戦いを、ショッキング&ポップに描く。壮絶な格差に立ち向かう底辺女子が、頂点を目指して成り上がる裏シンデレラストーリー。

見る前は、日本の『プラダを着た悪魔』なのかなと思っていたけれど、ファッション雑誌の編集部が舞台という以外は、どうもそうではないみたい。あの映画で一番の肝は編集長ミランダとそのイ

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『ロング・グッドバイ』

戦後復興から豊かさの時代への転換期。価値観が大きく変化していく中で、喪失と再生の時代の生き方を問う、アメリカの大衆文学に大きな影響を及ぼした、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説を実写化したもの。

チャンドラーの社会批評的側面を持つ原作『長いお別れ』と。推理モノから逸脱した軽妙洒脱な語り口は『探偵物語』に影響を与え、現在まで連なるアウトサイダー的イデオロギーを決定づけた、ロバート・アルト

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『セーラーゾンビ』

ゾンビはびこる終末世界で、セーラー服の女子高生たちが若さと図太さといいかげんさを武器に、決死のサバイバルに挑む。

『リバースエッジ 大川端探偵社』の方で、テレ東深夜枠については書いたので割愛。
見る前はAKBリテラシーが高く無いと、面白さが半減するような話だったら、キツイなあと思っていたけれど。主演の子よりもカワイイと思う相葉香凛や、グラビアでは徐々に先輩になってきた小池里奈、アクションに強い柚

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『リバースエッジ 大川端探偵社』

隅田川沿いの雑居ビルにある大川端探偵社は3人からなる小さな探偵社。彼らは調査の中で、依頼人やその周辺の人間模様、知られざる背景にゆっくりと触れながら、彼らなりの解決方法を探っていく。

『MOZU』や『ロング・グッドバイ』と比べると、テレビドラマの領分を弁えてる印象で。それは、他のテレビドラマに影響を与えることはないし、歴史に残るわけでもないが、一部の人達の印象には残るといった。つまりテレビドラマ

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『死神くん』

えんどコイチ原作の漫画を、Jホラーを代表する『リング』を撮った中田秀夫が実写化したドラマ。魂を冥界へ連れて行く死神くんが、毎回異なる登場人物に対して生の尊さを訴え、召天させていくヒューマンストーリー。

見る前は中田秀夫の名前があったので、一話完結で『世にも奇妙な物語』みたいに雑多なジャンルの話を、ホラーの味付けで処理するドラマだと思って見始めたのだが。第一話は名エピソードとの呼び声高い「心美人」

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『続・最後から二番目の恋』

 古都・鎌倉を舞台にした、明るくも切ない大人の青春ドラマ。小泉演じる千明は48歳、中井演じる和平は52歳、足して100歳になったにも関わらず、会えば口論の絶えない二人の関係性は相変わらず。

まず前作の感想を簡単にすると、独身アラフォー女子系恋愛ドラマで、評価できるものは本当に極一部しか存在しないですが。このドラマは、唯一と言っていいくらいカッコつけてなくて、恥ずかしくなかった。等身大のおじさん/

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『刑事110キロ​​』

体重110キログラムの巨漢・花沢太郎は、捜査一課長付き刑事の辞令を受ける。花沢は交番勤務で鍛えた鋭い洞察力と人間観察力を働かせ、人懐っこい笑顔で相手の懐に入り込み、事件を解決していく話だったが。第2弾ではスタイルを一新。冒頭で犯人をロックオンし、容疑者を相手にじわじわと迫って、駆け引きを繰り返しながら、逮捕に結びつけていくストーリー。

何度か見て考えたけれど、どうしてもただの二時間サスペンスとし

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『花咲舞が黙ってない』

上司に対しても間違っているとはっきり言う性格だが、地位も権力もないただの銀行員が、出世コースから外れて全てを諦めたベテラン行員と共に不祥事を起こした支店に行き、苦しんでいる人たちのために立ち向かう。女半沢直樹といったキャッチが踊る。

ここ数年の日テレ水曜10時は、女性をメインターゲットに据えた、第二の月九枠を担った放送枠です。女性と仕事や、母親の役割など、そのモチーフは多岐にわたり。大別すると以

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