見出し画像

CEOのナルシシズムは会社の業績に関連するのか

割引あり

ナルシスティックなリーダーは,企業の業績を高めるのでしょうか,それとも低めるのでしょうか。自己中心的で自分の権利を譲らないナルシシズムについてイメージすれば,業績は良くない方向へと進みそうです。しかし,ナリススティックなりーダーはカリスマ的な魅力を発揮するかもしれません。


男性・女性

企業を率いる立場にある場合,男性と女性とで何かしらの違いはあるのでしょうか。指導的な地位を追求する女性は,二重の束縛や性役割期待に挑戦することになるという指摘があります。

優位性,競走力,自己主張といったリーダーシップに必要とされる資質は,昔から「男性性」に関連するイメージに結び付いています。これらは「作動性(エージェンシー)」という一方で,女性に対する社会的役割の期待は,養育的で,暖かく,やさしく,友好的で,感情表現が豊かであるなど,女性性に相当する「共同性(コミュ二オン)」に相当します。

女性がリーダーになろうとするとき,どうしても成功するリーダーシップが持つ男性性的な特徴と,女性的なジェンダー・アイデンティティが対立してしまい,両者の間を行き来することになるとも指摘されます。

ナルシシズム

一方で,もしもナルシシズムが高い女性の場合,このふたつのアイデンティティの乖離がそれほど深刻ではない可能性があります。また女性的な社会的役割期待は,ナルシスティックな特徴のうちより対人関係に悪影響を及ぼす側面を緩和する可能性も考えられます。

では,企業のCEOのナルシスティックな特徴は,企業の業績に関連するのでしょうか。性別とナルシシズムから企業の業績を説明する試みが行われています。こちらの論文を見てみましょう(Female CEOs with a squeeze of narcissism: A perfect cocktail for corporate performance?)。

ここから先は

1,160字

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?