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万葉短編集ー珠玉の駄作選ー

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思いついたときに書きたいものを書く。 それが万葉短編です。大体10分以内に読める作品を制作していきます。 面白いと感じた作品があれば、続きをご自由に二次制作していただけます*但… もっと読む
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記事一覧

万葉短編集その③ー竜殺し、100人の騎士ー

「じじぃ!もう一度ぬかしてみろ」

まるで戦場に立っているかのような喧騒の店内。
顔を真っ赤にした男たちが酒樽を互いにぶつけ合っていた。
ある者は愛おしそうに酒瓶を抱えてテーブルに突っ伏している。
ぴくとりともしない。
またある者は、きらびやかなドレスを身にまとった女を抱き寄せていた。
彼らは人目もはばからず接吻に興じていた。

「聞こえなかったのか。若いのに耳が遠いんだな。早く失せろと言ったのだ

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万葉短編集その②ー逃避行ー

「ひぐっひぐっ」
「おい、いい加減泣くのをやめないか」

背の高い男と、床にうずくまる少女が小部屋にいた。
男は真っ黒いスーツを、少女は白いワンピースを着ていた。
どちらの服装も清潔な印象だが、いたるところに不自然な赤黒いシミができてしまっていた。

男は泣き止まない少女の傍らに立った。
それから横顔に触れようと手を伸ばす。
しかし、何を思ったのかすぐに手を引っ込めてしまった。

「あちゃあ、汚ね

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万葉短編集その①ー騎士と夕暮れー

真っ赤に燃えた太陽が楼閣を照らす頃、親友のオルレアンと共に城壁の上から地平線を眺めたものだ。
灰色の大地と茜色の空が絵の具のように混ざり合う。
そのキャンパスに無数の点が現れた。
目を凝らしてみる。
するとそれらが盛んに動いていることに気がついた。
大きな鳥だ。
遠くにいるので実際にはどれくらいの大きさかわからない。
しかし遠く離れた地平線周辺でもはっきりと羽ばたきが見えるのだから、かなりの大きさ

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