マガジンのカバー画像

むさしの写真帖

574
「写真っていうのはねぇ。いい被写体が来たっ、て思ってからカメラ向けたらもう遅いんですよ。その場の空気に自分が溶け込めば、二、三秒前に来るのがわかるんですよ。その二、三秒のあいだに…
運営しているクリエイター

#名古屋

むさしの写真帖

むさしの写真帖

古いデジカメについて書いています。
ただしこれらの記事は2018年前後のものであるので、カメラのほとんどは手許にないのをご承知おきください。

追記: ネタが尽きたので写真、カメラにまつわること。またアラカンおじさんの日常について書いたりします。(2023年霜月朔日)

Candid(2013年)

Candid(2013年)

(こんなことを今どき書くと◯◯ハラだ!とか言われるんだろうなァ)

近頃のお母さんは子連れでなけりゃ、とてもお母さんには見えないくらい若くてキレイな人が多い。
自分の幼稚園の入園式の集合写真を見ると如実に分かるが、大げさじゃなくて現在の感覚で言うと、お祖母ちゃんと写ってる?と思うほどに、昔のお母さんたちは「The お母ちゃん」していた。
それはお父さんも同様で、僕は今年47歳(11年前の記事ね。現

もっとみる
熱田宿(2010年)

熱田宿(2010年)

東海道五十三次41番目の宿場、宮の宿周辺を歩く。

1841(天保12)年に森高雅が描いた「尾張名所図会」に間遠ノ渡リという場所が出てくる。
絵を見ると常夜灯のあるこの場所そのものであるが、壬申の乱で天武天皇(大海人皇子)が東国に逃げるため伊勢から尾張へと船で渡った時、遠く時間が掛かったので「間遠」と名付たものが伝わったものとされている。

この熱田宿の湊から伊勢の桑名までの七里を船で渡ることから

もっとみる
9.11(2010年)

9.11(2010年)

明日は世界同時多発テロが起きた日だ。
今年も追悼式典が行われ、一部の人たちによるコーランを焼き捨てる集会などが話題になり、その日をリアルタイムで迎えていた人たちの胸には、あのショッキングなシーンが去来する。

だが名古屋に住む人たちにとって忘れ得ぬ9.11は、その1年前にもあった。
2000年9月11日から12日にかけて東海地方を襲った集中豪雨。俗にいう「東海豪雨」だ。

凄まじい雨だった。
もち

もっとみる
旧豊田佐助邸

旧豊田佐助邸

何年か前の今ごろ書いたもの。
名古屋市東区の白壁地区は古くからの武家屋敷が建ち並ぶエリアで、空襲などの被害から焼け残った建物も多く現存している。
名古屋市は国文も含めたこの地区一帯「白壁・主税・橦木町並み保存地区」を「文化のみち」として保存、活用をすすめている。
地区は豊田自動織機の創始者である豊田佐吉氏をはじめとする豊田一族の屋敷や岡谷鋼機の岡谷惣助氏、自民党幹事長であった加藤紘一氏、ソニーの盛

もっとみる
母校

母校

何年か前のもの。
たぶんそんなに変わってないはず。

日銀前の歩道橋から

日銀前の歩道橋から

何年か前に撮ったもの。

ここは名古屋にいた頃とても好きだった所。
ここに立つと名古屋の街並みがどんどん変容して行くのが手に取るように分かった。
一時期は、ここから見える所で働いていた事もあったし、何しろ中学の学区内だ。

la ruche

la ruche

ここで飲んだ膨大な量のコーヒー。
ここで過ごした膨大な時間。
ここで会った数え切れないほどの人たち。

ここは僕の窓の一つだった気がする。
他の窓から見る世界とは全く違う世界が見えた。
でも開けた窓はいつか閉じなければならない。

もう今は新しいマンションが建ってしまった。
ここでアルバイトをしていたコは、今をときめく社長になったりしている。
10年も前に閉店したのだけど、気が付いたら通い始めてか

もっとみる
フォークロア

フォークロア

何だ言やぁす?
ここら辺の話かね。
ほだねぇ、ここらは古い町だでねぇ。
ほんとか嘘か知らんけど、謂れについては色々話はあるわ。
坂の上のよぅ。
片山神社の東側によぅ。
ほっそい坂があるわ。
あれが「坊が坂」
今のよぅ、瀬戸線の尼ケ坂の駅がある坂は切り通しで後から作った坂だでよぅ。
公園の西側にある地蔵院の前の坂が「尼ケ坂」だわ。
むか〜しの話だで。
この辺の村に住んどらした娘さんがおってよぅ。

もっとみる
残すべきものと残るもの

残すべきものと残るもの

これは2015年に書いたもの。

久しぶりに赤線跡を歩いてみた。
ここは名古屋市北区の「城東園」である。

まだ辛うじて残っているが、建物の老朽化からか建て替えが進んでいて、どんんどんなくなっている。
前回訪ねたのは1年くらい前だが、その時から比べても何軒も建て替えられていた。

もっと心配だったのが、港区の「港陽園」跡地にある「かもめアパート」

この見事な豆タイルの細工を見よ!てな具合である。

もっとみる
ぬことのひととき

ぬことのひととき

「誰か来やがったな」

「何だよ」

「用がないなら、さっさと行けよ」

「写真なんか撮ってんじゃねェよ」

「まったく暇なヤツだな」

遊郭

遊郭

もうずいぶん前の話になるが、旧遊郭、赤線跡などの写真を撮り歩いた時期があった。
そのころ知り合った人たちが、かつて妓楼であった建物に住んでいる人と懇意になり、いろんな話を聞かせてもらったり仲良くしているという話を聞いた。

この写真は、その知り合いが借りてきたというネガフィルムを、ぼくがスキャンしたものだ。
そのネガフィルムは120mmの6×6で、露出が足りておらず、スキャンするのにずいぶん苦労し

もっとみる