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アジ・ダハーカの箱

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滅び行く人類とその天敵ドラゴンとの戦い。終末世界を放浪する者はその瞳にいったい何を映すのか。 逆噴射小説大賞ノミネート作品として始まった小説です。1900の作品の中から二次選考通…
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2019年1月の記事一覧

アジ・ダハーカの箱 特別編:ライク・ア・ドッグ・デイ・アフタヌーン

アジ・ダハーカの箱 特別編:ライク・ア・ドッグ・デイ・アフタヌーン

「狼が来たぞォ!」

「うるせえ!死ね!」

私は振り向き、走りながら銃を撃つ。

「ハハ!ハハハハァー!」

当然、奴は躱す。狼は私を嘲笑いながら、残像が見えるほどの速度で銃弾を避けた!くそ!無駄だとわかっていても、あまりにもムカつき過ぎたので撃ってしまった。完全に無駄な弾だ。奴は銃弾を避けるほどの速度で動くことができるのに、私と常に一定の距離を置いて追いかけて来ている。こちらが走る速度

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アジ・ダハーカの箱 特別編:竜よ、花よ

アジ・ダハーカの箱 特別編:竜よ、花よ

ラララ、ラン、ラン、ラララ、ラン、ラン

ランランラン、ラララ、ラララ

ララララ、ララララ、ララ、ラン、

…………

「うわっ!うわあああ!……ああああ、ああああ?」

俺は叫びながら上半身を起こす。前髪が汗で額にへばりついている。何か……とても、恐ろしい夢を見ていたような。とりあえず起きないと。俺は自分の脚を動かそうとする。

「いてえ!」

両脚に激痛が走った。そしてまったく

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