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川をふたつに割る話。

手づくり絵本3冊の納品を終えて、はやめの夏休みに入りました。
子どもが寝ている時間が制作時間の私にとって、夜の帳は開店の合図。
頭の中が(もちろん手先も)忙しい3ヶ月ちょっとを駆け抜けて、数日前から“なんでもない夜”を過ごしています。
同じ1分でも、その流れがゆったりなめらかで、夜ってこんなに柔らかいひとときだったのかと驚いたり。(秒針がカチカチいう時計から、音のしない時計に掛け変えた感覚に近いかも)
私はどちらかというと、予定があって忙しくしている方が好きなタイプなのだけど、その合間のこういうユルーイ時間も最高に好きです。

「こどもがいると“計画的に”みたいなことって難しいけど、締切のある仕事をするってプレッシャーじゃない?よく始めたね。」

ママ友にそんなことをよく言われる今日このごろ。

「あのさ、腹くくって激流に足を入れると川が割れるんだよ」
「君はモーゼか」

私はクリスチャンじゃありません。
でも、昔、聖書に興味が出て教会の輪読会に通ったことがあって、色んな話を殆ど覚えていないけど(コラ)、川が割れるあの話だけが強烈に頭に残っています。残っているというか、「おお、このことか?」みたいな瞬間に何度も出くわしたという方が正しいのかもしれません。

あんなことしたいな〜、こんなことしたら最高に楽しいな〜、こうしたらあの人めっちゃ喜ぶだろうな〜!というような妄想を膨らめてニヤニヤしていると、それを実現する機運みたいなものがやってきて、今だ!と思ったらその波に乗る。その繰り返しで去年の初めから今日まで締切を破ることなく14冊納品してきました。

子どもが熱を出したら、自分にも移って共倒れしたら、などなど不安要素を考えればいくらでも上がるのですが、考えるより先に心が判断して手が動いている(笑)。
自分のこのやり方を無責任&ノーテンキなのではと卑下した時代もありましたが、どうやらその必要はなさそうだと30代も後半になり感じ始めました。

基本的にえほんづくりそのものが好きすぎて、あらゆる隙間時間を気づけばそこに費やしているというのもあるのですが(抱っこ紐で娘を昼寝させながらスマホで作話したり)、何か、宇宙のキラリとした魔法?的なものが味方してくれてるなーと感じながら過ごしています。

「もし、今私のしようとしていることが宇宙にとって良いことなら、私に力を貸してください」

中学生の時に読んだアボリジニのドキュメンタリーで、彼らが空に向かって祈るシーンがあって、それも、今でも大切な言葉として私の胸に刻まれています。

宇宙にとって良いことをしたいなあ。

そんな漠然とした思いを浮かべつつ、“うちゅうでたったひとつのえほん”をつくりつづける私なのでした。

ひさしぶりのなんでもない夜に。
へえ、私ってこんな事考えてんだ、的な“ここだけのはなし”でした。

ジャンジャン

∞湖子∞





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