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【まとめ】Google広告のターゲティングを分かりやすく解説

運用型広告の3つの機能のうちの1つであるターゲティング、実はGoogle広告だけで14個もあるのです。ターゲティングの機能を完全に理解するにはあまりにも数が多いですし、混乱する方もいるのではないでしょうか。

というわけで今回はGoogle 広告のターゲティングを網羅し、分かりやすく解説してみました。

1.Google 広告のターゲティング機能一覧


運用型広告のターゲティング機能は各媒体が保有するデータを用いて特定のユーザーや配信面を選んで配信することが出来る機能です。ここでGoogle 広告のターゲティング名を挙げてみましょう。

配信面を限定するターゲティング
・トピック(認知)
・アプリカテゴリ
・コンテンツターゲット(検討)
・プレースメント(検討)

を限定するターゲティング
・ユーザー属性(認知)
・アフィニティカテゴリ(認知)
・カスタムアフィニティカテゴリ(認知)
・購買意向の強いユーザー層 インテント(検討)
・カスタムインテント(検討)
・類似ユーザー(購入)
・リマーケティング(購入)
・カスタマーマッチ(購入)

その他のターゲティング
・曜日、時間帯の指定
・地域の指定
・デバイス

ターゲティングを理解するポイント
そのターゲティングが配信面に焦点を当てているのか、特定の人に焦点を当てているのかの2軸で考えると頭の中が整理されやすくなります。

また()内はリーチとファネルを指します。ファネルは逆ピラミッドを想像していただくと分かりやすいかと思います。ファネルが上から下へ行けば行くほどリーチは少なくなりますが、その分ユーザーのモチベーションが高まります。

今回の記事では、配信面を限定するターゲティングと人を限定するターゲティングを中心にまとめてみました。

2.トピックターゲット

ユーザーは特定のトピックに関心を持っています。トピックターゲットは、Googleディスプレイネットワークの中で、選択したトピックに関連のあるコンテンツが掲載されている配信面に広告が表示される機能です。キャンペーンタイプ「ディスプレイ」で利用できます。

例えばトピックとして「自動車」を指定すると、自動車に関するコンテンツを含む Google ディスプレイ ネットワークのウェブサイトや他のプレースメントに広告が表示されます。また、「トラック」「商用自動車」「オートバイ」など、より詳細なサブトピックを選択することもできます。

▼トピック一覧
アート、エンターテインメント
インターネット、通信
オンライン コミュニティ
ゲーム
コンピュータ、電化製品
ショッピング
スポーツ
ニュース
ビジネス、産業
フード、ドリンク
ペット、動物
不動産
世界の国々
人々、社会
仕事、教育
住居、庭
健康
旅行、交通
書籍、文学
法律、行政
科学
美容、フィットネス
自動車
資料
趣味、レジャー
金融


加えてトピックターゲットでは、トピックターゲット×コンテンツキーワード、トピックターゲット×プレースメントのように組み合わせて使用することも可能です。但し組み合わせて使用する場合は、重なり合う部分にしかリーチしなくなるため、掲載先が絞り込まれて極端に表示が少なくなる可能性もあるので注意です。

参考記事
https://support.google.com/google-ads/answer/1209882

トピックターゲティングが適している場面
・トラフィックやリーチを手早く増やしたい。
・たとえば、自転車を販売していて、多くのユーザーがハイキングやキャンプにも関心があることがわかっている場合
・キャンペーンの予算に余裕や柔軟性がある
・広告の表示回数をすぐにでも増やしたい、または目標コンバージョン単価を拡大できる。
・宣伝する商品/サービスに関係のないトピックを扱うページや掲載結果が思わしくないページに広告が表示されるのを避けたい。

Google 広告ヘルプより一部抜粋

2.コンテンツターゲット

キーワードによるコンテンツターゲットでは、広告主の登録したキーワードと関連のあるGoogleディスプレイネットワーク上のコンテンツを狙って広告を配信できます。


自動車販売店が新型車を宣伝する広告グループを作成し、「燃費のよい車」や「2015年 電気自動車」といったキーワードを設定したとします。この場合、システムではコンテンツ ターゲットが使用され、これらのキーワードとテーマが一致するディスプレイ ネットワークのページが特定され、そこに広告が掲載されます。
Google 広告ヘルプより一部抜粋


コンテンツターゲットは「キーワード単位」で指定できるのでとても便利ですよね。これはよくある勘違いなのですが、コンテンツキーワードに絞り込み部分一致を使うことはできません。

コンテンツターゲットが適している場面
・詳細なターゲティングを行いたい場合
・明確なユーザーイメージがある場合

総じて「何を売るのか?」を軸とした直接的なアプローチによる配信よりもややコンバージョン率が下がる傾向もありますが、「誰に売るのか?」を軸とした配信は直接的な競合が少なくなる為に平均クリック単価は比較的低くなりがちです。クリック単価が下がり、コンバージョン率も下がる、一見悪化するように見受けられますが、数字の調整によっては良い配信に変わるのは明白です。この数字の調整こそがコンテンツターゲットの醍醐味でもあります。

アナグラムブログ Google 広告「コンテンツターゲット」の仕組みと設定、考え方 より一部抜粋
https://anagrams.jp/blog/google-adwords-history-the-strongest-product-and-contextual-targeting/

どんなキーワードにしようかという側面だけで考えがちなコンテンツターゲットですが、アナグラムさんのブログではターゲティングの根幹である「誰に売るのか」まで踏み込んでいます。コンテンツターゲティングの神髄に迫りたいという方は、一度アナグラムさんのブログを読んでみてくださいね。


3.プレースメント

プレースメントとは「ディスプレイネットワークで広告が表示できる場所」のことを指します。プレースメントには自動プレースメントと手動プレースメントの2種類があります。指定したキーワードやトピックに基づいて配信先が自動に選定されるものを「自動プレースメント」、配信面を直接指定できるプレースメントターゲットの事を「手動プレースメント」と呼びます。

プレースメントターゲティングは、Google ディスプレイネットワーク内の特定のウェブページ、動画、アプリを広告主が直接指定できる機能です。

手動プレースメントを追加するメリット
1.指定したプレースメントのみに広告を表示する
手動プレースメントを使用することで、ディスプレイ ネットワーク広告の掲載先を特定のプレースメントのみに絞ることができます。たとえば、広告主様がパッケージツアーを販売していて、特定の旅行関連のウェブサイトやページに広告を表示させたい場合、これらを手動プレースメントとして追加します。

2.ユーザーの滞在時間が長いプレースメントに広告を表示する
広告主様のユーザーが訪れるウェブサイトをご存じであれば、そのサイトを手動プレースメントに追加することをおすすめします。たとえば、主要なユーザーが example.com で多くの時間を費やすのであれば、そのサイトを手動プレースメントに追加して広告を表示させることができます。

3.プレースメントに個別の入札単価を設定して広告表示の頻度を調整する
成果の高いサイトがあるならば、そのサイトの入札単価を引き上げて、広告が表示される可能性を高めましょう。逆に、多くのコンバージョンが見込めないプレースメントがある場合は、入札単価を下げることも検討します。

Google 広告ヘルプより抜粋
https://support.google.com/google-ads/answer/2470108?hl=ja


4.ユーザー属性(デモグラフィック)

ユーザー属性ターゲティングでは、特定の年齢層や性別、子供の有無、世帯収入を絞り込んで該当するユーザー層に広告を表示できます。たとえば、女性専用のフィットネス スタジオを経営している場合には、ユーザー属性ターゲティングを使うことで男性に広告を表示しないように設定できます。Google 広告でターゲティングできるユーザー属性は以下の通りです。

年齢: 「18~24 歳」「25~34 歳」「35~44 歳」「45~54 歳」「55~64 歳」「65 歳以上」「不明」
性別: 「女性」「男性」「不明」
世帯収入(現在、オーストラリア、ブラジル、香港、インド、インドネシア、日本、メキシコ、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、アメリカでのみ利用可能): 「上位 10%」「11~20%」「21~30%」「31~40%」「41~50%」「下位 50%、「不明」)
子供の有無: 「子供あり」「子供なし」「不明」

Googleはすべてのユーザーの年齢や性別を認識できるわけではありません。Google 広告では年齢や性別、子供の有無、世帯収入がわからないユーザーを「不明」として扱っています。

重要
ユーザー属性の [不明] カテゴリは、それが確実に有効であるとわかっている場合にのみ除外してください。[不明] カテゴリを除外すると、本来は広告を表示すべきユーザーにも広告が表示されなくなる可能性があります。

Google 広告ヘルプより一部抜粋
https://support.google.com/google-ads/answer/2580383?hl=ja


5.アフィニティカテゴリ

アフィニティカテゴリとはユーザーが熱中していること、習慣、興味関心に基づいてユーザーにリーチできるターゲティング機能です。

アフィニティカテゴリと購買意欲の強いユーザー(インテント)は何が違うのでしょうか?

アフィニティカテゴリの場合、あくまで「購買」ではなく「興味/関心」が高いカテゴリになります。しかし、購買意向の強いオーディエンスの場合は、より商品やサービスを限定したカテゴリになっています。

加えてアフィニティカテゴリは潜在層向け、購買意向の強いオーディエンスは顕在層向けになるため、まずは購買意向の強いオーディエンスから試してみるのが良さそうですね。

アフィニティ カテゴリのターゲティングが適しているケース
興味や関心に基づいてコンバージョンを達成する可能性が高いユーザーをターゲットにするには、アフィニティ カテゴリのターゲティングがおすすめです。次に例を挙げます。

・広告主が映画製作会社で、最新のアクション映画のプロモーションを行っている場合に、「アクション映画派」というアフィニティ カテゴリをターゲットに設定します。

・広告主が化粧品会社で、「エコ」に関連した商品ラインのプロモーションを行っている場合に、「環境問題に熱心」「メイク好きの女性」をターゲットに設定します。

・自動車レースのスポンサーとなっているファスト フード会社の提携広告を配信している場合に、アフィニティ カテゴリを使って「高性能車マニア」に該当するユーザーに広告を表示します。

Google 広告ヘルプより引用


6.カスタムアフィニティカテゴリ

アフィニティカテゴリはGoogleが用意したカテゴリの中から選択するため、自分の欲しいジャンルが存在していない場合もあります。

そのような場合に、カスタムアフィニティを使います。カスタムアフィニティを使えば、どんなニッチな商材でも相性の良いユーザーをターゲティングすることが可能です。

カスタムアフィニティカテゴリでは、ユーザーが興味関心を持っていると思われるキーワード・URL・場所・アプリ・コンテンツ(YouTubeに配信する場合のみ)などを入力することで、より絞ったターゲティングできます。


7.購買意向の強いオーディエンス(インテント)

購買意向の強いオーディエンスは、広告主の商品やサービスに似たものを調べていたり購入を前向きに検討していたりする(=購買意向が強いとGoogleが判断した)ユーザーに対して、広告を配信できるターゲティング機能です。

「購買意向の強いオーディエンス」というターゲティングをはじめて見た方は、きっとこのターゲティングは最も購入に近いと思ってしまうかもしれませんが、検討層に働きかけるターゲティングなので注意が必要です。

アフィニティカテゴリでも述べたように、購買意向の強いオーディエンスはより商品やサービスを限定したカテゴリになっています。

購買意向の強いオーディエンス(サブトピックは後ほど追記)
・アパレル、アクセサリ
・アート、工芸の関連用品
・イベントのチケット
・ギフト、行事
・コンピュータ、周辺機器
・スポーツ、フィットネス
・ソフトウェア
・デートサービス
・ビジネス サービス
・ビジネス、産業向けの関連商品


加えて、2019年10月14日に季節限定のセグメントが追加されました。その期間やイベント時における購買意欲が高いと判断されたユーザー層に広告配信が可能になります。

Googleの公式ページによると、世界的な自動車メーカーであるトヨタ社は、「ブラックフライデー」と「クリスマス」のセグメントを使用して、積極的に車を検索しているユーザーをターゲットに定めた結果、コンバージョン率が67%向上し、コンバージョン単価を34%抑えることに成功したとのことです。


8.カスタムインテント

購買意向の強いオーディエンスはGoogleが用意したカテゴリの中から選択するため、自分の欲しいジャンルが存在していない場合もあります。

そのような場合に、カスタムインテントを使います。カスタムアフィニティを使えば、どんなニッチな商材でも相性の良いユーザーをターゲティングすることが可能です。

カスタムインテントオーディエンスの最大の特徴は、ターゲットとする特定のキーワードとランディングページに合わせてオーディエンスをセグメント化することです。オーディエンスをセグメント化することで、最適なユーザーにアプローチできます。

カスタムインテントオーディエンスでは、自動的に作成されたオーディエンスセグメントを使用することも、商品やサービスに関連するキーワードやアプリを入力して独自のオーディエンスを定義することも可能です。これらのオーディエンスを使って、キーワード・URL・アプリ・コンテンツ(YouTubeに配信する場合のみ)などを入力することで、より絞ったターゲティングできます。


9.類似ユーザー

類似ユーザー機能によるターゲティングでは、既存のリマーケティングリストのユーザーと同じ特徴を持つユーザーに広告を表示できるようになります。

類似ユーザーのメリット
・サイト訪問者と検索傾向が似ているユーザーを見つけ、そうしたユーザーにリーチすることができる
・対象とすべきオーディエンスを容易に特定できる
・新しい見込み顧客を獲得できる

Google 広告ヘルプより一部抜粋
https://support.google.com/google-ads/answer/7151628?hl=ja&ref_topic=3122880

類似ユーザーリストは、ウェブサイトタグやリマーケティングリスト、メールアドレス、住所、電話番号から作成したカスタマー マッチリストから作成されます。リストの規模の拡大やユーザーの検索行動の変化に応じて自動的に更新されるため、作成後に手動で更新作業を行う必要はありません。

類似ユーザーリストでは、デリケートな内容の情報(人種、宗教、性的指向、健康に関する検索行動など)は使用できないのでご注意ください。


10.リマーケティング

リマーケティングは、以前にお客様のウェブサイトやモバイルアプリを利用したユーザーが Google またはパートナーのウェブサイトを閲覧する際に広告を配信できるため、購入に繋がりやすいターゲティング機能です。

Google 広告で利用できるさまざまなリマーケティング
標準のリマーケティング: 広告主様のウェブサイトにアクセスしたことがあるユーザーが、ディスプレイ ネットワークのサイトやアプリを利用しているときに広告が表示されます。

動的リマーケティング: 動的リマーケティングはさらに一歩進んだ機能で、ユーザーが広告主様のウェブサイトやアプリで見た商品やサービスの情報を含めて広告を表示できます。
検索広告向けリマーケティング リスト: 広告主様のウェブサイトを訪れたことがあるユーザーが Google 検索を行っているときに広告が表示されます。

動画リマーケティング: 広告主様の動画や YouTube チャンネルを視聴したユーザーが、その後、YouTube を利用しているとき、またはディスプレイ ネットワークの動画、ウェブサイト、アプリを閲覧しているときに広告が表示されます。

顧客リストに基づくリマーケティング: カスタマー マッチを使うと、顧客から入手した連絡先情報のリストをアップロードできます。そうしたユーザーが Google にログインして、各種サービスを利用しているときに広告が表示されます。

リマーケティングは、よく追跡型広告ともいわれていますよね。個人の体感ですが、広告業界の一部で「リマーケティングは悪」と叫ばれているだけで、ユーザーはそこまで考えていないのではないかと思います。ブランドの認知度を高めるだけでなく、選択肢をライバル企業に渡さないためにもリマーケティングはしたほうがいいというのが私の持論です。


11.カスタマーマッチ

カスタマーマッチを使用すると、顧客から提供されたメールアドレスや電話番号のデータを活用して、情報を提供した顧客や類似顧客を広告のターゲットに設定できます。カスタマーマッチの配信先は、Google検索、ショッピング、Gmail、YouTube、ディスプレイに限定されます。

カスタマーマッチの仕組み
1.顧客から提供された連絡先情報のデータファイルをアップロード
(※但しメールアドレスをアップロードする際にはハッシュ化したものを用意することが推奨されています。GoogleAdwordsの広告掲載ポリシーを確認して、個人情報の取り扱いに注意しましょう。)

2.アップロードされたデータから抽出されたカスタマーマッチのユーザーリストをキャンペーンのターゲットに設定

3.このリストのユーザーが各自の Google アカウントにログインすると、検索ネットワーク、YouTube、Gmail を使用するとき、または Google ディスプレイ ネットワークで閲覧するときに広告が表示される

Google 広告ヘルプより一部抜粋
https://support.google.com/google-ads/answer/6379332?hl=ja

カスタマーマッチでは主に既存客に焦点を当てているため、すでに商品を購入したユーザーや、商品を購入してから長い時間経過しているユーザーに向けて広告を配信できるのがメリットです。

また、カスタマーマッチを通じて生成された類似ユーザーリストを作成することもできますので、潜在層に対してもアプローチすることが可能になります。


おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。いいなと思った方はSNSでシェア&Twitterアカウントをフォローしていただけると嬉しいです。

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