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HRTech領域で独自のポジションを築く。「BPaaS」を軸にした、あしたのチームの競争優位性をひも解く

人事コンサルと人事クラウド、BPOの組み合わせによって、人事評価制度の構築から人材活用までをワンストップで提供する「あしたのチーム」。

活性化するHRTech市場において競争も激化する中、どのような優位性をもって事業成長を図っているのか。前回に引き続き、代表取締役社長の赤羽から自社サービスの強みと、今後の戦略について聞きました。

HRTechは、年130%で成長する200億円市場

──まずはHRTechの市場動向と、あしたのチームが展開するソリューションの位置づけを教えてください。

HRTechの市場はここ4〜5年で拡大傾向にあり、人事・配置クラウドサービス領域だけでも200億円規模、年130%で成長し続けるマーケットになっています。これはメガベンチャー企業が参入するにも十分な規模と言えるでしょう。

一方で、世の中ではジョブ型雇用など評価制度のニーズも多様化しており、ITサービスの導入だけではクライアントに価値提供をし続けることが難しくなっていると感じます。

──新規参入が増え、競争激化の傾向にある中で、あしたのチームが持つ強みは何でしょう?

あしたのチームは「2つの特徴」を持たせたサービス設計によって、HRTech市場でも競争力のある事業展開ができていると自負しています。

1つめは「人事コンサル × 人事クラウド × BPO」を組み合わせた「BPaaS」という独自性。2つめは、人事評価制度を「イチから作れるコンサルタント」を育成している点です。

独自の強みは「中小企業向け×BPaaS」


──あしたのチームの特徴について、それぞれ詳しく教えてください。

1つめの、BPaaSという軸が「なぜ選ばれる理由になるのか」をまず説明したいと思います。

最初に確認したいのは「顧客は誰か」という部分です。競合の多くは、大手企業向けにクラウドサービスを提供するベンダーで、人事評価制度がすでに整っている企業に対してより効率的な運用を提案しています。

一方で私たちは、人事評価制度がまだない、もしくは十分に機能していないことに課題を持つ、従業員200名以下の中小企業が対象顧客です。

人事評価制度を初めて作る、または見直しが必要な状況では、クラウドの導入以前に、制度構築を始めとした整備の必要が出てきますよね。

そこで以前であれば経営コンサルティング会社に依頼をし、要件定義や報酬体系の設計などを行っていたわけです。しかしそれでは時間やコストが大幅にかかるため、中小企業の予算では意思決定になかなか踏み切れないケースが多かったように感じています。

また、仕組みだけを作っても、運用し続ける「専属の人事担当者」がいなければ形骸化のおそれもあり、経営判断をより難しくしかねません。

こうした課題に対処するため、あしたのチームでは、人事評価制度の設計に特化したコンサルタントが「制度構築」から入ります。そこから「クラウドシステム」の導入、運用をサポートする「BPO」の順で整備していくため、シームレスに人事評価制度に関する課題を解決できるわけです。

また、中小企業向けに最適化した料金プランも、導入の決め手になっていると考えています。

──人事評価制度を内製化し運用することが難しいお客様に、あしたのチームのサービスがフィットするわけですね。

はい。そもそも、評価制度設計ができる社員を採用したいと思っても、そのようなスキルを持つ人材は決して多くありません。通常、人事のキャリアというのは、労務や採用などを順序立てて経験しながら、上位職種として人事評価の設計や運用を任されるようになるからです。

つまり、評価制度設計に特化した職種は一般的ではないのです。自社で内製化しようにもハイレイヤー層の採用になるため、コストも時間もかかるでしょう。

豊富なナレッジを持つあしたのチームのコンサルタントが「評価制度設計の専任」として入ることは、クライアントの採用コストと手間を削減できるという点でも大きな意味があると考えています。

4,000社の導入実績から生まれた「人事評価のプロ」を育成する研修制度

──「人材評価制度をイチから作れるコンサルタント」の存在も競争優位性になっているとのことでした。こうした評価制度設計に特化した “即戦力” を、あしたのチームでは未経験から育成しています。なぜそれが可能なのでしょうか?

背景として、あしたのチームは、人事コンサルティングから事業をスタートさせた経緯が関係しています。まだ人事評価制度が必要か・不要かの議論をしていた頃から「市場そのもの」を作ってきた歴史があるため、その過程で、評価制度設計に関する独自の知見を蓄積してきたのです。

また私たちは、世の中にクラウドやSaaSといった言葉が生まれる前、ASPが主流だった頃から、人事評価制度に関するシステム開発を進めてきました。現在までに4,000社以上への導入実績があり、他社ではどのように制度の運用をしているかという事例も豊富にそろっています。

▲あしたのチーム事例サイト「あしスト」

だからこそ、これまで人事評価領域に携わった経験がないメンバーであっても「入社後半年〜1年程度でコンサルタントとして最前線に立てる」教育制度を整備することが可能だったのです。

コンサルタントには「具体的な事例をいつでも引き出せること」や「様々な人事関連の質問に対して的確に対応するスキル」が求められます。

豊富な事例を全社で共有し、適切な対応方法もナレッジとして蓄積されている。そんな環境だからこそ、未経験者も学び続ける意欲と行動力があれば、早期に現場に出られる育成ノウハウを持てたのです。もちろん、上司や先輩のフォローアップ体制も万全です。

▲活躍中するメンバーのバックグラウンドは多種多様

こうした「人事コンサルティングができる人材」の育成手法を確立して組織体制を整えることは、短期間では難しく、他社の参入障壁になっていると思います。

HRTechは魔法の杖じゃない。本当の意味でお客様に価値のあるソリューションを

──HRTech領域は、ここ数年で競争も激化しています。今後のサービス展開や目標について教えてください。

わかりやすい目標として、BPOの継続率向上を考えています。いわゆるチャーンレートの改善ですね。

中小企業は「ダメなら止めよう」の判断に至るまでが短いことが多いので、早期に人事評価制度が定着し、運用し続けられる体制にもっていくことが重要です。

BPOと人事クラウドの継続利用により、やりがいを持って働けるチームを作ることに貢献すること。定性的ではありますが、クライアント企業の中で「努力や成果が正当に認められる環境がスピーディに整備された」という実感が広がることが、結果として継続率の向上につながると考えています。

──中長期的な展望についても教えてもらえますか?

人事評価制度以外からも、当社のBPOやクラウドとの接点が増えるような新規のサービスを中長期で仕掛けたいと考えています。これは業界全体の流れを受けた必然の展開と言えるかもしれません。

少し前までのHR Tech業界では、単一機能を提供する企業が多く、例えばタレントマネジメントに特化したシステムなどが代表的でした。ですが今では、組織エンゲージメントなどの「人事評価制度の周辺領域までカバーする」サービス展開に拡大する流れが業界全体で起こっています。

理由はいくつかあると思いますが、大きくはHRTech業界全体が、以前までの「データを基に人事の判断をする」から「データで人事を科学する」のフェーズに進んでいるためと言えます。

人事に関する複数のサービスをバラバラに利用する段階が終わり、今後は人事データを一元管理し、活用する方向に企業もシフトしていくでしょう。この流れを反映して、あしたのチームでもサービスを拡張することが中長期で必要だと考えています。

──最後に、あしたのチームが事業展開で大切にしていることを聞かせてください。

この数年「HRTech=魔法の杖」という空気が、業界全体に広がっていると感じます。ただ私たちとしては「Techがあればどうにかなるものではない」という考え方を持っています。本当の意味でお客様に価値のある人材ソリューションを提供する。それが私たちの使命なんです。

あしたのチームは、クラウドサービスを「手段」として、働き方やチームのありかたを根本から変えることに価値を置いています。

業界内での優位性や売上のことだけを考えているようでは、私たちのビジョンである「誰もが “ワクワク” 働ける世界を創る。」は実現できません。あくまでもお客様を中心に「経営や社員間の関係性をより良いものにしていく」サービスで、社会に貢献していきたいと考えています。

取材協力:CASTER BIZ recruiting

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