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【NTTデータグループ様】エンジニアのキャリア自律を支えるPotageの「技術者育成×コミュニティ」支援| With Potage Vol.5

Potageは、2022年10月より「株式会社NTTデータグループ」様の社内技術者コミュニティ活性施策の伴走支援を行いました。キャリア自律のトレンドが加速し、専門性が高い人材の育成が経営課題として待ったなしの状況で、NTTデータグループ様が注目したのが、エンジニアの自律学習を支援する「コミュニティ」の存在でした。今回のインタビューでは、Potageの社内コミュニティ活性伴走サポートを導入した経緯と効果、そして今後の展望について、お話を伺いました。


■長谷川智亮(株式会社NTTデータグループ 技術革新統括本部 企画部)

NTTデータでシステム開発の生産技術に関するプロセス・ツール開発を担当。公共や金融のシステム開発プロジェクトを経験した後、2020年から人事本部で全社の人財育成施策の企画・運営に従事し、デジタル人財育成や自律的学習の推進を担当。現在は技術革新統括本部でエンジニアの育成を推進している。

野口晴康 (株式会社NTTデータグループ 人事本部 タレントマネジメント担当)

大学卒業後、システムエンジニアとして入社。研究開発や政策提言等の活動を経て、2008年に経営の武器としてITを利活用していくためのユーザー企業のIT幹部人財育成事業「イノベーション経営カレッジ」を立ち上げ。以来、事業開発、組織開発、人材開発の領域で活動しており、2022年4月より現職。

荒川和教(株式会社NTTデータグループ 技術革新統括本部 企画部)

大学卒業後、富士通でインフラエンジニア・プロマネとして公共システムのシステム導入/運用保守を担当。2022年10月よりNTTデータに入社し、全社的な技術者育成に従事している。その中でも、Google Cloud等のパートナーアライアンスを中心に、全社のコミュニティ活性化を進めている。

NTTデータの「技術者育成×コミュニティ」連携施策はいかに生まれたか

河原あずさ(以下、河原):Potageは、2022年10月から、NTTデータグループ様(以下、NTTデータ)の社内技術者コミュニティの活性施策に伴走し、みなさんの部署である技術革新統括本部が主催するイベントや、コミュニティ人材育成のセミナーの共同企画、コミュニティリーダー向けの相談会の実施などを通じて社員の皆様のコミュニティ活動のサポートを行っています。どのような経緯で、Potageの伴走支援を依頼をすることになったでしょうか。

長谷川智亮(以下、長谷川):私は、現職の技術革新統括本部の前は人事本部にいて、全社の技術者育成施策を企画する立場でした。いわゆる集合式の研修を提供していたのですが、特定の技術に精通した人材を育てるにあたっては、集合研修には限界があるなという話が出ていたんです。専門職の育成においては、社員1人1人の専門性に応じた学びをしていかなきゃいけないという意識がある中で、次の施策についてあれこれと考えていました。

そんな中で、注目したのが「コミュニティ」でした。

社内では最新技術を学びたいエンジニアたちが、Teamを中心としてコミュニティをつくって、最新技術動向に触れたり、ノウハウを共有したりする、技術者同士のつながりが生まれていました。これを盛り上げていけば、社員の自律的な学びを促すことができるのでは?と思い至り、あれこれと情報を集めていたんです。そんな最中に今の部署に異動し、そしてふとしたきっかけで「コミュニティづくりの教科書」に出会いまして。

河原:出会ってしまったんですね!

長谷川:はい(笑)本を読ましていただいて まさにこんな世界観作れたらいいなと思いまして。いきなりこのような専門家の方に、素人が連絡しても返事がないだろうなと思っていたんですけど、問合せをしたらすぐにメールが返ってきまして。「ああ!乗ってくれた!」と思い、安心したのを覚えています。

長谷川智亮さん(NTTデータグループ)

河原:最初は悩み相談からスタートしましたね。GCA(Google Cloud Accelerator)という、長谷川さんの今の部署が運営していたコミュニティに関するお悩みが出発点でした。

長谷川:そうですね。GCAという、Google Cloudについて学ぶ、Google Cloud公認のコミュニティを運営していました。前任のコミュニティマネージャーの方が退職して「え!盛り上がりつつあったのにどうしよう…」と悩んでいて、そこを再活性するにはどうしたらいいのかというディスカッションから関係が始まりました。

河原さんに相談する前から、社内のコミュニティをやっている方々にヒアリングしていたんですが、そこでもいろいろな課題が語られていました。自分たちだけ頑張っていてなかなか盛り上がらない、熱量が上がらない、なかなか続かない。そんな共通の課題を持っていて。

「どうしたらいいと思いますか?」と伺ったら、一緒に考えてくれて、とても丁寧に返してくれましたね。

河原:そうですね。確かに一緒に悩むところからスタートしました(笑)。ところで「コミュニティづくりの教科書」のどこが、長谷川さんに刺さったのでしょうか?

長谷川:コミュニティについてはいろいろな本がありますが、会社の業務に生かすとなると、意外と具体的なノウハウが書かれている本が少ない印象が私にはありまして。熱量を持っている人と一緒に熱量を上げていく方法を具体的に書かれていて「あ、これは実践できそうだ」と感じました。けど、ただ形だけまねても上手くいかないだろうなと感じまして、やはり専門家の後押しを頂こうと思ったのがお声がけにつながりました。

河原:ただ、思い返すと、このプロジェクトは本の通りにはやらなかったですね。

長谷川:確かに(笑)本をなぞる感じでいくのかといったら、そうではなくて。最初はコミュニティを運営している方々へのヒアリングを丁寧にやって、そこから、まずはコミュニティを可視化する具体的な企画を一緒に立ち上げていただいて。そうしたらこの1年ちょっとで、少しずつ、確かな盛り上がりが生まれてきたんですよね。

会社の雰囲気や社風によって全然進め方も違うでしょうし、私たちのチームが考えている課題を中心にアドバイス頂いたり、進め方を一緒に考えて下さったり。寄り添いながら、じっくりと進めていただいた印象がありました。

そうしたら、一番初めと今の1年半で、改めてスタートの状態と今を比べると、全然違う世界観になったなと、本当にあらためて驚いています。

河原:コミュニティの活性化って「これ!」という正解がないので、まずは会社の特徴や文化を理解しながら、担当の方の課題感をもとにプロセスを組み立てていくのが大事だと日頃思っています。特効薬があるわけではないので目に見える成果がすぐには出づらいんですが、少しずつ小さい変化が生まれてくるし、それがある地点に達したときに「ポン!」とはねたりするんです。

地道な頑張りが大きな成果につながるのが、コミュニティの面白み

河原:荒川さんは転職組で、途中からこのプロジェクトに参画されましたが、転機はどこにあったと思いますか?

荒川和教(以下、荒川):2つあるなと感じてます。1つはコミュニティを運営する、引っ張っている人たちを可視化するオンラインイベント「コミュニティリーダー図鑑」を2022年12月に立ち上げたとき。もう1つは、2023年8月に経営層が集まる社内イベントに登壇して、社長以下役員や本部長たちに、コミュニティの重要性と私たちの取り組みについて伝えられたときです。

特に後者は、緊張しましたけど、感慨深いものがありましたね。最初は本当に細々とやっていて、あまり協力者もいなくて、コミュニティをやっている人たちの知り合いもいない中でちょこちょこやっていたのが、そのイベントをきっかけに幹部一同が「会社としてコミュニティをサポートしていったほうがいいのでは?」という空気になったんですよね。すごい変化だと実感しています。

荒川和教さん(NTTデータグループ)

河原:「コミュニティリーダー図鑑」は、チームと課題について会話する中で生まれた、コミュニティを可視化する施策でした。最初の流れをつくったのはずっと継続しているこのオンラインイベントだと思っていますが、やりながらどのような感触でしたか?

荒川:12月にはじめてオンラインイベント「コミュニティリーダー図鑑」を開催して、以降月1~2回のペースで継続しています。これは、お昼休みの時間を中心に、コミュニティを運営したり、参加者として盛り上げて下さっている「コミュニティリーダー」を2~3人ずつ呼んで、活動を紹介するオンラインイベントですが、進めるうちにどんどんコミュニティのキーパーソンと私たち事務局がつながっていったんですよね。

そのつながりが増してくると、今度は、自分たちだけの活動というよりは、コミュニティに関わっているみんなの活動に変化していって。そこからコミュニティリーダーたちとの一体感が生まれてきたと感じています。私は転職組だったので、社内の知り合いがどんどんできて、そういう面でもありがたかったです。

河原:今や、コミュニティのことをNTTデータで誰に聞いていいか?って聞かれたら、真っ先に荒川さんが出てくるくらいですものね。入社はいつでしたっけ?

荒川:2022年10月です。入社すぐに配属されたら、河原さんという謎の人がいて(笑)右も左も分からないまま コミュニティの活動に参画したって感じです。

そこから12月末にコミュニティリーダー図鑑を立ち上げて、最初は正直、半信半疑だったところもあるんですが、とりあえず乗っかってやってみたら、だんだんとコミュニティリーダーの方々とつながって、普段の業務ではなかなかつながりえない人たちと会話できるようになってきました。いろんな人からの反響を見て、すごく楽しくなってきたというのはあります。

本当に、自分でも気づかぬ間に、いつの間にか変わってきた感覚で。例えば、イベントのアーカイブを「コミュニティリーダー図鑑」という名前でイントラネットに上げているんですが「コミュニティリーダー図鑑みたよ!」と連絡をもらったり「コミュニティ運営のここに困っているんですが」と初めての方から急にメッセージが飛んできたり。それはすごく手ごたえを感じていましたね。

河原:荒川さんは転職して1年ちょっとで、そこではじめてコミュニティを仕事にしたわけですが、面白みはどこに感じますか?

荒川:もちろん、GCAなどの活動を盛り上げた結果Partner Top EngineerというGoogle Cloudに公式認定されるトップ技術者の数が昨年比で1.5倍に増えたり、資格取得数が目に見えて上がったりという、数字に見える部分も面白いです。ただ、個人的には「人とつながれる」のがいいなと思っていて。

中途採用で知り合いゼロで入社したのに、コミュニティの仕事をすることで、何百人の社員と知り合いになれて、仕事のやりとりができているんですよね。そこにコミュニティのすごさを日々感じています。

長谷川:部署としてのミッションは技術者の育成なので、Partner Top Engineerや資格取得数がコミュニティを通じて目標以上の数値を出せたことはとてもいい感触です。あと、コミュニティ参加者をターゲットにしたセミナーもいくつか河原さんと企画しましたが、その集客もすごいんですよね。多くはコミュニティを通じて知って、集まっているので、そういう意味でもパワーを感じています。

コミュニティの成果って、最初は目に見えづらいんです。けど、さっき荒川さんも言っていた通り「いつの間にか、こんなことになっている」という感触なんですよね。塵も積もれば山となる、じゃないですけど、地道な頑張りが大きな成果につながるというのが、コミュニティをやる上での面白みだと思っています。

河原:1年弱の活動で、Partner Top Engineerの数が増え、資格取得数も増え、自律的に学習するエンジニアの数も増え、その活動の成果が認められて、経営層の心を動かして、コミュニティ支援の予算もつく流れになりました。いつの間にか、と言いつつ、1年弱でここまで目に見える成果が出るのって、とても速いスピード感なんです。あらためて自分たちの活動をみたときに、何がその成功要因だったと感じていますか。

荒川:河原さんの伴走が的確だったというのはもちろんありますけど、とにかくコミュニティリーダーの方々の協力がすごく大きかったです。我々だけだと、広がりはつくれないですが、リーダーの方々の協力があっていろいろなイベントや施策ができるようになり、コミュニティを大きく広げることができました。ウェビナーだけではなくて、Google Cloudさんとは、NTTデータ社内で「Google Cloud祭り」を開催して、ハンズオンのセミナーや、トークショーなどを数多く企画して、数百人の社員の方に来ていただいたんですが、そういう大がかりな施策を形にできたのも、コミュニティリーダーの方々の協力がなければ難しかったです。

長谷川:そのコミュニティリーダーの推進力を生み出したのは荒川さんの積極性だと思いますよ。様々なコミュニティに声がけをしたり、イベントを積極的に開催したり、コアの荒川さんがずいぶん盛り上げて火をつけたなと思っていまして。事務局としても「荒川さんをいかにヒーローにするか」というのをかなり意識して動いたところはありました。

河原:そうですね。僕は戦略を立てるお手伝いをしたり、進め方が的確なのかをアドバイスしたり、企画の味付けをしたりという役回りなんですが、やっぱり僕が「こうやれ」と上から言うのではだめで、結局のところ動きの起点は中の人がつくる必要があると日々思っていまして。荒川さんが「こういうことを実現したい」とまず何かを発案して、具体的なやり方を一緒に考えて、知恵を提供して、荒川さん以下のチームに実行してもらうという形が、とてもうまくまわった要因の1つだと感じています。特に、人との関わりをめんどくさがらずに、地道にやられたことが、目に見える成果に直結したなと思います。

キャリア自律や育成において「Know-who」がすべてのベース

河原:そして人事部門からも、野口さんが参画されて、連係しながら動いて下さっています。野口さんはどのような経緯で、このプロジェクトに巻き込まれたのでしょうか。

野口晴康(以下、野口):プロジェクトの初期から参加していましたね。長谷川さんが人事部門にいたころから、同じ課題意識を持っていて「鍵はコミュニティにありそうだね」という話はしていたんです。多様な人材を育てていく中で、一律に教育を提供したり、OJTに頼るのではなくて、自分で実践をして、得られた知見を発表したり、色々な方からフィードバックを受けたりしながら、継続的にスキルを磨ける場が重要で、それならコミュニティだろうと思っていたんです。

これからの育成に大事なのはノウハウ(Know-how)ではなくノウ・フー(Know-Who)だと思っています。例えばナレッジマネジメントの仕組みを整えてデータベース化して、ごりごり進めていく方法もあると思うんですが「そのことならだれだれさんに聴くといいよ」というマッチングの仕組みを整えたほうが、結果的に社員が持っている経験や知識が流れていくと思うんです。学習の場としてコミュニティを整えていくことによって、横ぐしが通って、中長期にわたるキャリア形成をお互いに支えあう状態が生まれます。

そういう観点で「コミュニティが重要だよね」と長谷川さんと話しをしていて、河原さんにお声がけするぞとなった時から「一緒にやろう」と誘われた流れです。

河原:実際にやってみて、育成担当者として、どのような気づきがありましたか?

野口:キャリア開発の仕組とか、ラーニングのシステムとか、人材カルテとか、テクノロジーなどを導入していくのはもちろん大事ですが、やはり「Know-who」がすべてのベースだと改めて感じました。どういう人が、どこでどのようなことをやっているかをちゃんと見える状態にしておくことが、テクノロジーや制度を導入したときにそれらが生きてくる基礎の部分になると思っています。ただ仕組みを入れても実際に使われないって、いかにも「人事あるある」ですが、コミュニティは痒い所に手が届くというか、スキマを埋めてくれるというか、そういう存在だなと一緒にプロジェクトを進めながら感じています。

河原:積み重ねが評価されるかたちで、このプロジェクトが立ち上がって1年経たないうちに経営層の耳に入り、現場主導で行っていたことが「オフィシャル」になりました。重要な転機を迎えたと思うのですが、今後さらに発展させていくために、チャレンジしたいことはありますか?

長谷川:盛り上がってきたとは言いつつ、正直、社内ではまだまだ認知度は不十分だと思っています。色々なメディアに出たり、対外発信を繰り返したりしながら、認知度を上げていきたいというのはありますね。社内の人たちは、意外と外の情報の方を見ていたりするので、メディアやセミナーなどで発信をしながら、社内の人たちに気づいてもらえるような展開をつくっていきたいです。

コミュニティに入ってない人や、コミュニティ活動にあまり参加していない社員は まだまだこの辺の活動は「遠い存在」だと感じていると思うので、もっと身近に感じてもらえるように、もっと認知度を上げていきたいなと思っています。

河原:荒川さんはいかがですか?

荒川:HRアワードを取りたいです!

河原:(笑)2023年にエントリーして、選を漏れたんですよね。

荒川:そうなんです、それが悔しくて(笑)。まあ、悔しいからというのもありますけど、対外的なお墨付きをもらうことで「これが進むべき道なんだ」ということを胸張って伝えていきたいですね。

あと、この取り組みは、NTTデータ本体の中心にしか広げられていないのですが、国内のグループ会社や、グローバルの関係会社にもいずれは広げて行きたいという野望を持っています。

野口:人事の観点でいうと、社員とコミュニティのマッチングは強化したいです。目立っているコミュニティは認知できているのですが、目立たないところにリーチする術が本当にないんです。それを見つけて、スポットライトを当てるのもそうですし、あわせて、社内に「こんな活動をしているよ」と広げていくことも、しっかり地に足をつけてやっていきたいなと今感じています。総合的に「ここにいけばコミュニティの情報が集まっているよ」というポータルをつくることも必要ですよね。

長谷川:中長期でみると、色々なかたちで部署間の横ぐしを通す活動が大事だと考えて居ます。グループがどんどん拡大しているので、社内のつながりづくりもそうですし、グループ会社間のつながりづくりも求められてくると思っています。より「ワンチーム」になるというか、1つのグループとしての総合力が発揮できるようなコミュニティづくりを、今度やっていくことが大事ですよね。

経験やスキルからくる知見を活かして具体的な施策に落とし込めるのがPotageの魅力

河原:皆さん、今やっていることに迷いがない印象がありますね。これを次のステップに進めていくぞというのが もう具体的に、明確に語られていて。手ごたえを感じているのだなと、お話を聞きながら感じます。

さて、実際に、Potageをパートナーに選んで頂いて、どんなところにユニークさを感じましたか?

長谷川:なんというか、すごく気楽に色々なやり取りができたと思いまして。専門家だけど、友達とは言わないまでも、まるで近所のおじさんと気楽に会話するような近さがありまして。いい意味でギャップを感じて、そこがなんだかよかったですね。

河原:お兄さんじゃなくて「おじさん」と言われる年齢になっちゃいました(笑)。さておき、真面目に返すと「近さ」についてはよく言われます。コミュニティづくりって、近さがないと上手くいかないと思うんですよね。仕事はきちんとやるけれども、どこか緩さや柔らかさを持つというのは、僕自身も大事にしていることです。荒川さんはいかがですか?

荒川:私は2つあります。1つは、企画の際の発想の仕方が独特で、そこにすごさを感じました。「コミュニティリーダー図鑑」も、最初は「コミュニティ図鑑じゃないのか?」という議論がチームであったんです。けど河原さんは最初から「いや、コミュニティリーダー図鑑ですよ。器ではなくて人をフィーチャーすることが大事なんです」って断言されていて。それが企画の成功につながったと思うんです。「コミュニティ図鑑」にしていたら、たぶん、すごく普通な結果になっていたと思うんですよね。

2つ目は、月1回行っている、コミュニティリーダーに対する相談会で、すごみを感じていました。

河原さんって、最初の5分くらい、ずっと相談者に質問をし続けて、話を聞くんですよ。最初は「なんだか、たくさん質問をするなあ」と思ってみていたんですが、その質問がひと段落ついた瞬間に、かなり的確な、実践的なアドバイスが河原さんの口からどんどん出てきて。「ああ、本当にちゃんと相手に寄り添って日々アドバイスやメンタリングをされているんだな」と感じて、毎回すごいなと感心してみておりました。

野口:そうですね。表面的にみると「コミュニティの専門家」というラベルしか当然見えないわけですが、話を聞いていると、しっかりとしたカウンセリングやコーチング、ファシリテーションの基礎技術が備わっている方だなとすぐに分かりました。

組織開発や、キャリア自律、人的資本経営などの人事の最新のトレンドについて、深く理解をされているし、日々実践もされていて、ご自身なりのアプローチを持っていらっしゃるんですよね。その経験とスキルを活かして、状況に応じて角度のついた知見を示せるのが、河原さんのユニークさだと感じています。とはいえ、難しいことを上から目線で伝えるのではなく、平易に、具体的な施策に落とし込んで、伴走して頂けていることが、非常によかったなと感じています。

河原:オウンドメディアにのせるには手前みそ感もありますが(笑)ありがたく書かせていただきます。ありがとうございます。

NTTデータさんに関していうと、僕は富士通やニフティというIT企業に長くいて、ギークなエンジニアや、キャリアに悩むエンジニアや、大きなIT企業の中の人たちの熱量やジレンマを数多く見てきたのもあって、文化的に相性のよさを感じながら伴走していました。その点について感じたところはありますか?

長谷川:そのバックグラウンドは本当にうまくハマっていたと思っていまして。相談者の皆さんも、もともと同業で、同じような規模の会社で、似たようなことをやっていたというベースがあるからこそ、お互い分かりあいながら、安心して話ができていたと思いますね。やっぱり、技術者って「わかっているのか・いないのか」をまず見抜くじゃないですか。

河原:そうですよね。的外れなことを言おうものなら「全く知らない人が何を言っているんだ?」っていう。そういうプレッシャーを専門職の方ほどかけがちですよね。

長谷川:そこは本当にピースがハマった部分だと思っていまして、河原さんを選んでよかったなと改めて感じています。

荒川:すごくいい事例ができたなと思っていますし、今後はどんどん外部発信をして、色々なメディアを通じて活動の意義を伝えていきたいです。ぜひこの記事を見た皆さんに、コミュニティに参加して頂きたいなと思います。

河原:結果「コミュニティと言ったらNTTデータ」と言われるようになりたいですね。

荒川:そうですね。言うだけなら自由なので(笑)。けど、課題はまだ山積みですが、本当に「コミュニティと言ったらNTTデータ」に近づけるように、引き続きお力添えを頂けたらと思っています。

インタビュー・執筆:河原あずさ(Potage)

Potageの「技術者育成×コミュニティ」施策のお問合せはこちらのホームページよりどうぞ

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