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「お手紙」

今日3個目の記事だけど、明日になったら忘れちゃうので書いておく。
小学校の教材の編集をしていたときに知った物語。
ずっと「がまくんとかえるくん」だと思っていたけれど、実は「お手紙」というタイトルらしい。

こちらの記事を拝見して、コメントしたい、というかお話したいと感じて思い出した。
どこかで似たような感想を持っていたことがあったなぁと。

がまくんは、一通も手紙の来ない自分の家のポストを見ては落ち込んでいる。
それを見たかえるくんは、自分の家に帰って、がまくんに手紙を書く。
そして、かたつむりくんにその配達を頼む。
かえるくんは、またがまくんの家に行き、今度は一緒に手紙を待つ。
次の日も、次の日も。

でも、かたつむりくんは、なかなかやって来ない。
がまくんは、待つことに疲れて、昼寝をしてしまう。

「がまくん。」
 かえるくんが言いました。
 「ひょっとして、だれかが、きみに、お手紙をくれるかも
 しれないだろう。」
 
 「そんなこと あるもんかい。」
 がまくんは言いました。
 ぼくに、お手紙をくれる人なんて、いるとは思えないよ。」
 かえるくんは、まどから のぞきました。
 かたつむりくんは、まだやって来ません。
 
 「でもね、がまくん。」
 かえるくんはいいました。
 「きょうは、だれかが、きみに お手紙 くれるかもしれないよ。」
 
 「ばからしいこと、言うなよ。」
 がまくんが言いました。
 「今まで、だれも、お手紙 くれなかったんだよ。 きょうだって
 同じだろうよ。」

「かえるくん、どうして、きみ、ずっと、まどの外を見ているの。」
 がまくんがたずねました。
 「だって、今、ぼく、お手紙をまっているんだもの。」
 かえるくんがいいました。
 「でも、来やしないよ。」
 がまくんが言いました。
 「きっと来るよ。」
 かえるくんが言いました。
 「だって、ぼくが、きみにお手紙出したんだもの。」
 「きみが。」

アーノルド・ローベル

それから、かえるくんは、がまくんに出した手紙の文言をそのまま伝える。ただ、友達だということを伝えるだけの手紙。

「とてもいいお手紙だ。」
そうして、すっかり内容がわかってしまった手紙を、ふたりで待つのだ。

私は「やぎさんゆうびん」も似たような思いがあると思っている。
手紙の中身じゃなくて、「お手紙出した」ってことが大切で、それを読まないことで、ずっと繰り返されるということ。
それで、お手紙出したり待ったり、おうちに行ったりする関係が保たれるってこと。

まあ、コメント代わりの個人的な感想です。


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