見出し画像

新着論文紹介ゼミの形式

ふと,新着論文紹介ゼミってどういう形式が良さそうか,について考えたので,備忘録としてこちらに記しておきます.

研究室や研究グループのメンバーで集まって新着論文を紹介し合うゼミっていろんなコミュニティで開催されてると思うのですが,ぶっちゃけこれまで経験した範囲で参加し続けたいなって思えたものって,なかなか少ない気がします.

これまで参加したことのあるものについて,そもそも参加した動機って何だったっけって思うと,たいてい研究室メンバーの多くが参加しているからとか,所属している組織の構成員の多くが参加しているからとか,そういった感じで漫然と参加してたものが多い気がします.

そして,たいてい途中で退屈に感じてしまって他のことを考えてることが多かったような.

これまでに参加した形式

これまで参加した新着論文紹介ゼミがどういった形式だったかというと,多くの場合は,毎回発表担当が誰かに割り当てられて,主にその人が発表したい論文を探してきて読み込んで発表資料を用意し,当日は30分くらいかけて紹介して,あとは聴衆(10-20名)がわからない点を質問する,といったもの.

画像1

この形式の場合,発表者にとっては負担が大きいですが,ちゃんとその論文を読み込む機会ができて,質疑応答を通して理解を深めることもできそうです.おそらく発表者がある程度ちゃんと理解したい論文がある場合や,参加者の方で発表者に対する教育目的がある場合(論文の読み方を伝えたり,内容の理解を補ったり)には意味があるのかなと思います.

ただ,今思えばそうした目的を達成するためには,必ずしも新着論文紹介ゼミでなくて良くて,その人の研究に深く関係するような論文を読み込むような機会を作る方が良さそうです.

また,10-20名も聴衆がいると,そんな質問しやすくはありません.もし参加者にとってあまり興味がない内容で,かつ質問しながら理解を深めることもしにくいのであれば,非効率的なゼミと言わざるを得ない気がします.興味がない参加者にとってはほぼ意味のない時間になってしまいそう.私なら興味のない論文が紹介されるならその回は出るの止めようかなって思う.そして他の参加者も同様に感じるなら,だんだんそのゼミは過疎化していく.

画像4

上とほぼ同じで発表資料なし,という形式も経験しました.発表者が画面共有して,その論文pdfを眺めながら紹介していくような形式です.発表資料を作らない分だけ発表者の負担は軽減しますがそれ以外は同じなので,上と似たようなメリットとデメリットがありそうです.

ではどういった形式がいいのか

それで,どういった形式がいいのかなと考えているのですが,そもそも新着論文を読むだけなら一人でもできるわけで,わざわざ集まって読むことの意味はやはり質問し合ったり議論をしたりして,一人で読んでいたら到達できなかったところへ到達できることにあると思います.

そしてそのためには,発表者を含めて参加者が積極的に発言したり議論したりしやすくすることが必須かな,と.

では,積極的に発言しやすいゼミにするためにはどうしたらいいかというと,まずは参加者同士がそこそこ打ち解けている必要がありそうです.やっぱお互いのことをあまり知らないと,どういった内容をどんな形で聞くべきか,ってところを考える必要があって,議論するのが大変そう.また,変に気を遣ってしまってざっくばらんに議論することが難しく感じることもありそう.

あと,参加人数が多すぎないことも必要な条件に思います.参加人数が多いと,何か質問をする際にその人たちの時間を奪ってしまうような気がして,ためらってしまうことありますよね.(そういったこと考えない人にとっては関係ないかもですが.)あと,参加人数が多いと,何かあっても他の誰かがフォローするかなと思って,必ずしもすべての質疑応答に集中しなかったりしますが,参加人数が少ないと,参加者がみな能動的に参加してないと議論が回らなかったりするので,それなりに集中していないといけないっていう意識ははたらきそうです.

画像2

そんなわけで,論文速報ゼミはそこそこ知っているもの同士で少人数でやるのがいいんじゃないでしょうか,っていう提案でした.

研究室でやっているけど人数が多い場合は,たとえばZoomを使ってオンラインでやっているなら,単にいくつかブレイクアウトルームを作ってそれぞれの部屋でやったらいいんじゃないかとも思います.多くの議論は全員で一斉にやる必要ないと思うし,むしろ少人数に分けてそれぞれが興味の赴くままに議論する方が,どこかで誰かがおもしろい気付きを得られる確率は上がるんじゃないかな.

分けるなら何人くらいがいいんでしょう.個人的な発言しやすさを考えると,4人とか?小中学校などでグループワークをする場合に4-5人に分かれて取り組んでた記憶があって,それにはたぶん何か理由があるんじゃないかなっていう期待も込めて.

画像3


追記1:
論文ではないですが,読書会についてVoicyでちきりん氏が4-5人が合ってるって言ってて,とてもわかる気がしました.ってか,そこそこ趣味の合う人たちと読書会もしてみたい.

2020/10/01 #008 400人より4人のイベント
https://voicy.jp/channel/1295/100502



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?