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サルトル、ボーヴォワール

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#哲学

ロマネスク教会とボーヴォワール

ロマネスク教会とボーヴォワール

前にも書いたと思いますが、無神論を標榜していたボーヴォワール(サルトルの契約恋愛の相方)はなぜかロマネスク教会を見て回るのが好きだったようで、

・『決算のとき』朝吹三吉、二宮フサ訳 紀伊国屋書店 1973-1974 (Tout compte fait, 1972)

第四部(上)p243:

上巻p234からロマネスクについて旅行記として触れられている。かなり細かく回っている様子。サン・サヴァン

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アラブとイスラエル サルトルのインタビュー

イスラエルとアラブは100年前からの確執である。イスラエル建国と表明されるまではユダヤとアラブは仲良くしていたとNHKのバタフライエフェクトで述べていた。
 その問題に反応していた知識人であるサルトルはどのように捉えていただろうか。日本思想界がサルトルはレヴィ=ストロースとの論争に負けたとディスっているが、2人のインタビューや執筆したもの(✳︎)を読めば決してそんなことはない。それはまた別記事にし

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アラブとイスラエル サルトルのインタビュー2

サルトルのシチュアシオン8巻にはアラブとイスラエルについてのインタビュー2つ収められており、今日は2件目。A. シュヴァルツとのインタビューである。1969年10月25日 pp254

・イスラエルとアラブの紛争においては、まさしくどちらの側にも全面的な真理はなく、どちらの側の立場も完全に理解されうるものなのです。
・それはイスラエルが、現在のところアメリカ在住ユダヤ人の援助を必要としていることで

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アクティビストのサルトル

アクティビストのサルトル

サルトルは哲学者で、レヴィ=ストロースにやり込められてしまった人、という扱いだろうか。
 サルトルの主著の弁証法的理性批判には序説がありデカルトのようなタイトル「方法の問題」(1960年初版、日本版1961年 平井啓之訳 人文書院)
1ページ目から挑発的である。

・哲学とはまず、<興隆期にある>階級が自己についての意識をもつ或る仕方で或る。
・あらゆる哲学は実践的であり、一見最も思弁的とみえる哲

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