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#短編小説

ヒーローの話

診断メーカーの「兄×妹(男の娘)」の短編です。
暇つぶしにでもどうぞ。

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 昼下がり、もっと具体的にいえば太陽の光が暑すぎて逃げるようにカフェの中へと入ったわりとあたたかい午後。牧田要(まきたかなめ)はかばんから文庫本を取り出すと、アイスコーヒーが入ったグラスを少し横にずらし読書をする体勢へとなった。

が、本を開くと同時に向かいに女性が座る。気づいた要は顔を上げ一瞬眉間に

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第85回フリーワンライ 消しゴムじゃ消せない

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

お題:消しゴムじゃ消せない

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風に揺られる前髪を見上げ、そっと手でおさえる。
しかし手を離せば、また前髪は舞い上がる。
風の入り口となる窓が目の前にあるのだから、当たり前のことだ。

私は窓を閉めたくはないのだけれど、同乗者が寒そうに顔をしかめるものだから、仕方なしに窓を閉めた。

「そんなに寒い?」

私の問いに彼は首を

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過呼吸は君のキスで(フリーワンライ)

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
テーマ:過呼吸は君のキスで

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初恋はかなわない、という。しかし、それが本当かどうかは誰も知らないはずだ。もちろん、わたしも。

「新しいリップクリーム?」

前の席に座る乙葉がパックジュースを机の上に置きながらわたしにそう尋ねた。

昨日買ったばかりのリップクリーム。まだ高校生だから化粧はしなくていい、といわれるけれど何もしないのはなんとなく味気ない気

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古本屋で雨宿りを

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
お題:雨宿り

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 春が過ぎ、夏にさしかかる前。梅雨、というのが浅香は苦手だった。雨の匂いは好きだが、実際に降られると足は濡れる、かばんは濡れる、プリントなんかを入れようものなら無残な形になる。

「雨の日は閉じこもるに限る!」

浅香は窓の外を一瞥した後、カーテンを勢い良く閉めた。今日は休日だが、両親はでかけており、部屋の中には彼女だ

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