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宇宙文学

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宇宙の詩、小説まとめ。
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#散文

イオ

イオ

都市を渡る星空間シャトル
始祖鳥の尾羽
僕はけふ十三に成りました
[nl057便をご利用の皆さま…]

海はとうに干上がり、人々はかなしみの余りステーション建設に勤しんだ。ひとつの球体と燻鼠色の長方形の胴体を持ったステーションは、他の星々に遜色ない出来映えで、TVショウでその様子が映されると皆毎日のようにそれを喜んだ。

(スムーズな乗降にご協力ください)
音を発さないアナウンスが響き渡ってーーー

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僕達は何処迄も行ける

僕達は何処迄も行ける

九月の残暑に氷菓を頬張る僕達は小さな窓の内から不意に何処迄も行けることを知る、この足が縺れてもこの手が震えてもいつだって僕等は信じ切ることが出来る、美しい世界の陰と絶え間ないひかりにうたをうたう、手を叩いて先頭を行く僕で居よう、君も巻き込むよ、屹度ブラックホールを丁度抜けたところ、光の速度でこの道をゆかふよ