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令和三年、二十七歳の夏、脱サラして農業を始めることにした。

おちゃらけたライトノベルのようなタイトルをクリックしてくださった皆々様、はじめまして。陽地郎と申します。

この記事を開いて頂いた方の中には「あー…また勢いだけの人間がなんか始めちゃってるよ」と嘆き、首を横に振っている方も多いと存じます。

あるいは「どれどれ、今度はどんな類の意識高い系かな」と斜に構える方もいらっしゃるかもしれません。

「お、いいじゃん! よし、応援してあげよう!」と親指を縦に立て、歓迎してくだる方は少ないのではないかと覚悟しております。

新規就農者の現実

あらゆるメディアで「田舎暮らし」や「農業ブーム」といったキーワードを目にする機会が増えました。

アウトドアや家庭菜園のブームなども含めると、「自然の中で生きる」ということに対して魅力を感じる人が増えつつあるという事実は改めて明言するまでもないでしょう。

ですが実際のところ、農業でご飯を食べていくとなると、新規就農者の現実には厳しいものがあるようです。

「およそ3人に1人が農業を辞めてしまっている」

加えて、引用元の総務省の資料によると、

「自ら経営の采配を振れるから」
「農業はやり方次第でもうかるから」

といった理由で就農したのにも関わらず、新規参入者の就農後の農業所得は概ね200万円程度に留まっており、約75%の就農者が、

「生計が成り立っていない」

と感じているそうです。

これらの数値を高いと見るでしょうか。低いと見るでしょうか。
感想はそれぞれあるでしょう。
けれど、辞めてしまった人も、今も苦しみながら何とか続けている人も、かつては等しく、夢と希望を持って農業の道に進んだことは想像に難くないと思うのです。

新規就農を志す者の現実

こうした実態を知ってなお、僕は新規就農を志しており、既に行動を開始してしまいました。
具体的にいうと、勤めていた会社を辞め、現在、とある農家さんで研修を受けております。

とはいえ、まだ始まったばかり。スターウォーズでいえばエピソード1のオープニングクロールが丁度終わったあたりでしょうか。
これから先、お話がどう展開していくかは定かでありません。
全力で避けたいところですが、アナキン・スカイウォーカーのように闇堕ちする未来がゼロであるとは言い切れないのです。

今回、僕がつたなくも筆を取ったのは、このnoteを通して、成功するか否かに関わらず「農業を志すことのリアル」をお伝えしたいと思ったからです。

「農家」という仕事に従事してみて、見たこと、感じたことを素直に書いていくつもりです。辛いことがあれば臆面もなく弱音を吐きますし、楽しかったらこう親指と人差し指を交差させて「きゅん」っとやります。

その結果として、最終的に僕がどういう選択をするのかは自分でもまだ分かっておりません。
「こういう農業をやりたい」というビジョンは持っていますが、もしかしたらそれが思いもよらぬ形に変わる可能性だって十二分にありえます。

ただ、これから新しく就農を目指す同志はもちろん、植物とともに生活することに興味のある方、はたまたホワイトワークの道からドロップアウトした1人の男の行く末を愉しみたい方にも、この現在進行形のお話をより多くの方に楽しんで頂きたいと思っているのです。ひいては、読んでためになったと感じてもらえば何より幸いです。

ひとまずは「俺の人生はこれからだ!陽地郎の次回作にご期待ください!」などと早々と打ち切りになってしまわないように頑張る所存であります。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回からは時計の針を少し戻し、「就農を志した経緯」について書いていきたいと思います。


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