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世界一不幸な人が、何人もいるんだよ、この日は。

肩が痛い。体が痛い。息が苦しい。。。ここ3ヶ月ほど昼も夜も働いて怒涛の毎日だった。気がつくと12月になっていた。不思議なことに比較的精神は安定している。忙しいと不安を抱える余裕もなくなる。時間があるから思いを巡らせたり、明日のことを考えることができる。

休みも関係なく四六時中仕事をしたり、スケジュール帳をびっちり詰めている人は、暇になるのが怖いからだ。何もない時間ができてしまえば、不安や恐怖や、自分自身と向き合わなければならない。精神的に安定していてもこの状態を健康だとは言えない。

冬は大好きだ。冷たい風が澄んでいて美味しい。イルミネーションは綺麗だし、空が高くて星がいつもよりたくさん見える。ウィンタースポーツは楽しいし、雪山から見る景色は格別。

12月。私の好きなこの時期は、1年のうちに死亡率が一番上がる時期でもある。厚生労働省の人口動態統計によると、年末にかけて2月ごろまで死亡率が急上昇するそうだ。

ネット上に掲載されいた医師の見解では、「冬は内科の繁忙期。風邪やインフルエンザ、呼吸器疾患などを訴えて受診する人が増えてきます。それに年末にかけて飲食の機会が増えるので、暴飲暴食による胃痛を訴える人も多い。糖尿病や痛風の悪化も考えられます」だそうだ。暴飲暴食で人が大量に死ぬだなんてバカバカしくて納得ができない。

そんな私のモヤモヤを解決してくれたのが、心理学者フランクルの著書 『夜と霧』だった。世界的な大ベストセラーであり、第二次世界大戦時、アウシュヴィッツ強制収容所の支所に収容された心理学者フランクルの体験記だ。


強制収容所で生き残るには希望を失わないことが重要だった。この収容所は1944年のクリスマスと1945年の新年の間に大量の死者を出した。この間、環境に変化はなかった。

この大量死の原因は、多くの人がクリスマスには家に帰れるだろうという希望にすがって生きていたのに、期待を裏切られ、落胆し、絶望したからだった。

生きる希望や生きる目的、生きる意味などを見失った人間は簡単に崩れてしまう。

「生きていることにもうなんにも期待がもてない」という思いにとりつかれた人は、あっというまに崩れていったという。


クリスマスや年末年始。恋人がいれば、クリスマスの華やかな雰囲気に心を踊らせる人もいる。会社員であれば、年末年始の長期休暇を楽しみに生きている人もいるかもしれない。久しぶりに帰省したり、旅行へ出かけたり、羽を伸ばすいい機会だ。

しかし、この時期を楽しみにしている人がいるということは、それほどストレスを感じる人もいることを忘れないようにしたい。

クリスマスはとくに家族や恋人の行事として扱われる。世間の空気感の中で、人々はなんの違和感も感じない。この時期に家族や恋人のいない人はどのような心境になるのか、誰もが一度は想像してみたことがあるだろう。

クリぼっちなどという言葉が流行り、面白おかしく一人で過ごせる人もいる。だけど自殺者や死亡率が急激に上がっているのを見てみれば、このイベントがどれほど人にストレスを与え苦しめているかがわかる。

何より恐ろしいのは、この時期には自殺者だけでなく、死亡率が上がるということ。それは人々が意識的に死のうとしたのではないということだ。

人は未来に希望を持てなくなると、精神が弱くなり、同時に身体の機能も停止していまう。クリスマスや年末を楽しみにしている人にとっては、良い情報ではないかもしれないが、自分の意図しないところで、苦しんでいる人もいるということを誰もが意識すべきではないだろうか。

余談だが、このようなイベントや行事は誰かが仕掛けたビジネスでしかない。クリスマスやサンタクロースを広告に使うことによって、経済効果を狙っているにすぎない。現にサンタクロースはコカコーラの宣伝のために創り出されたキャラクターだ。

未来への希望が人を動かしている。未来へのイメージが身体的・精神的に大きく影響する。想像力が現実を創造していて、想像できない未来はプロセスも見えない。私たちの人生を左右するのは、クリスマスや年末年始ではなく、まだ見ぬ恋人や家族でもない。未来への希望だ。


久々の連休をとってこの記事を書いている私の体は節々が痛い。息が苦しい。「もう嫌だ!!」と心身が叫んでいる。クリスマス?お正月?勝手にしやがれって感じだ。もう嫌な仕事なんてやめてやる。






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