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スマホと子ども①~表現力~

私がよく中高生に話すことはスマホの扱いです。
教員をしている方はほぼ皆さん、気づいているでしょうが、スマホを手にするようになってから子どもは明らかに学力は落ちています。
10年前より
〇 言葉は稚拙
〇 表現力が乏しい
〇 我慢ができない
〇 すぐキレる
〇 会話持続力に乏しい

これらは特にYouTubeくらいならいいですが、SNSに囚われている子どもには見られると印象を持っています。
偏差値は高くても、学力は下がっていると感じます。つまり全体の学力が下がれば以前と同スコアであれば偏差値は上がるので、相対的に学力は低下傾向である、特に表現力は乏しいです。

私は次の言葉をまずは使うことをやめるよう言います。

〇 やばい
〇 エグい

この言葉はポジティブとネガティブの両義性を持った便利な言葉です。子どもたちを取り巻く環境で「デカっ!」も「すごっ!」も「おもっ!」も「つよっ!」も「きもっ!」もすべて「エグい」「やばい」で表現できます。
つまり、この2つの形容詞を言っていればだいたいの形容詞は代替可能というわけです。

ですので、
海に沈んでいくきれいな夕日を見ても「やばっ」か「エグぅ~」
頬が落ちるほどの料理を食べても「やばっ」か「エグっ」
かわいらしいカワウソのワイルドなまでの食べ方を見ても「やばっ」か「エグっ」

こういった言葉の稚拙さは、今は20代あたりまでに多く見られるのかもしれません(スマホが出て14年程度なのでそのくらいと勝手に想像しています)。
このような言葉遣いが主流となり、教育現場で注意していかないと当然、近い将来生まれてくる子どもたちもこのような言葉遣いに慣れ、表現、特に形容詞と副詞の語彙は身に付かないだろうと危惧します。

私は英語を教えていますので、ライティングの際にはこれら2つの品詞はふんだんに盛り込んで書こうと指導しています。名詞と動詞ばかりの文章は「事務連絡」のような殺風景な文章に感じられてしまうので、意識して盛り込むことは重要なのだと思っています。

きっと私のように言葉の乏しい子が増えてきたと感じている方も多くいらっしゃると思います。「彩りを加えてくれる品詞」を扱えるような指導を実践していき、会話が華やかになっていく将来を願ってやみません。

この記事を書いていて「頬が落ちる」の意味を知っている生徒はどれだけいるか、興味が沸いてきましたので、尋ねてみようかと思います。

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