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日本で働く留学生に見るキャリアの志向4類型 ~どのように就職先を選び、その後どうなるのか~(第7回「教職員のための外国人留学生就職支援研修会」)

こんにちは! 留学生就職サポートのASIA Linkです。

2024年7月27日に開催した弊社主催の「教職員のための外国人留学生就職支援研修会2024」の当日レポートを弊社のブログより転載してお届けします。

今回は弊社代表の小野によるキーノートスピーチ「日本で働く留学生に見るキャリアの志向4類型 ~どのように就職先を選び、その後どうなるのか~」をお届けします。



1.はじめに

「教職員のための外国人留学生就職支援研修会2024」とは、外国人留学生の日本での就職を支援するために、「教員」「キャリアセンター等の学校職員」「留学生を雇用している企業」「就職支援企業」の4者の情報や知見の共有を目的としたものです。2017年11月に第1回を開催し、今回で7回目を迎えました。

今回は、『留学生のキャリアデザインをどう考えるか』というテーマを設定しました。キーノートスピーチに始まり、企業関係者によるパネルディスカッション、参加者全員によるワークショップと、4時間にわたり学び合いました。

以下、当日の内容をレポートとしてまとめました。
留学生の就職支援の一助となりましたら幸いです。

【実施概要】
日時:2024年7月27日(土)13:30~17:30
会場:国士舘大学世田谷キャンパス、ZOOM(ハイブリッド開催)
テーマ:留学生のキャリアデザインをどう考えるか
主催:株式会社ASIA Link

【参加者】
合計78名
・会場出席者 34名 ※うち5名は企業関係者
・ZOOM出席者 44名

参加者の職種の内訳(企業関係者を除く 73名)
・教員 35名
・学校職員 35名
・その他(フリーランス等) 3名

参加者の所属機関内訳(企業関係者を除く)
・大学 37名
・専門学校 9名
・日本語学校 16名
・その他機関、フリーランス等 11名


2.プログラム

(1)キーノートスピーチ、事例紹介 13:30-14:25
「日本で働く留学生に見るキャリアの志向4類型 ~どのように就職先を選び、その後どうなるのか~」(担当:ASIA Link小野)

(2)パネルディスカッション 14:25-15:35
「企業が考える外国人社員のキャリア ~事例、面接での見極め、課題など~」
ゲスト:外国人社員を雇用している企業の経営者・人事担当者
(ファシリテーター:横浜市立大学 河瀬恵子)

(3)ワークショップ 15:35-17:30
会場参加者全員(企業パネリスト・教職員)によるグループディスカッション
「留学生のキャリアデザイン」を大きなテーマに据えつつ、話し合いたいトピックをその場で募集。この指とまれ方式でチームを結成して議論を深める。
(ファシリテーター:立教大学 河野礼実)

(4)交流会、名刺交換会(自由参加) 17:30-18:00


3.キーノートスピーチ、事例紹介

「日本で働く留学生に見るキャリアの志向4類型 ~どのように就職先を選び、その後どうなるのか~」
(株式会社ASIA Link 小野朋江)
※当日の発表内容を一部加筆修正しました

■はじめに

まずは、今日のテーマである「キャリア」という言葉について考えてみましょう。

「キャリア」の語源は、馬車が通ったあとの轍のことだ、というのは、みなさんご存じかもしれません。
現在使われている、「キャリア」という言葉の定義は幅広く、正社員として就職してから定年までの仕事の経験のみを指すこともあれば、ライフも含めた人生そのものを指す場合もあります。

今回私たちは、日本で働く留学生のキャリアに焦点を当てることから、彼らの人生を俯瞰して見るためにも、仕事だけではなくライフも含むキャリアの定義を使っていきたいと思います。

■キャリアとは

こちらに引用したのは、法政大学経営学研究科教授・小川憲彦さんによるキャリアの定義です。今回はこの定義を使います。
キャリアとは「個人の長期間にわたる仕事を始めとした生活全般における経験の展開のありよう」である、というものです。

ここでのポイントは7点あります。
まず、キャリアは個人の概念であるということ。
そして継続性があること。
過去から未来へ、という時間的方向性があること。
仕事を重視しているが生活も含むこと。
以前の経験との連鎖・関連性があること。
蓄積性があり、経験や能力の深化・向上・発展があること。
そして、客観、つまり出世して管理職になるような外から見えるものと、主観、つまりこの仕事が好きだとかやりがいがある、といった内面的なものの両方を含むことです。

■なぜ「留学生のキャリアデザイン」を扱うのか?

今回の研修会で、なぜ、留学生のキャリアデザインを扱おうと考えたのか?
そこには、私たちが日々留学生と関わる中で感じてきた、問題意識がありました。

私たちASIA Linkは、日本で就職したい留学生と、留学生を採用したい企業をつなぐ職業紹介の仕事をしています。職業紹介の仕事は、留学生が就職活動を始めるところから関わっていくのですが、就職したあとも、時には一緒にごはんを食べに行ったり、あるいは仕事の悩み相談を受けたりして、長く関係が続いていくことも多いです。就職した後の彼らとの関わりの中で、彼らが様々な道をたどっていく様子をこれまで見てきました。そして彼ら自身のキャリアについての考え方が変遷していく様子も見てきました。

改めて、留学生はどのように就職先を選び、その後どうなるのか?というテーマについて考えてみたいと思いました。

まずは、留学生のキャリアのスタートである、就職活動の段階から考えていきましょう。

初めての就職活動、しかも自分の国ではない日本での就職活動に際し、留学生はあれやこれやと悩み、自問自答します。この問いと思考を繰り返すプロセスの中で、彼らの気づきが促され、思考が深まっていく様子を、私たちは見てきました。

■就職活動のプロセスの中での気づき

この自問自答による気づきは、就職活動という実践の中で、急速に効果を発揮します。
就職活動を始めた留学生は、企業について調べ、説明会を聞き、ESに志望動機を書き、面接練習をして、面接を受け、面接に落ちて、なぜ落ちたか考え、他の企業について調べる、というプロセスを繰り返します。
このとき、自分一人での自問自答だけでなく、誰かに問いかけてもらい、それに対して自分の言葉で語ることで、気付きがより引き出されていきます。

たとえば私たちは就職相談の中で、留学生にこのような問いかけをします。
「説明会を聞いてどうたったか? なぜ興味を持った?/持てなかった?」
「面接を受けてどうだったか? なぜ志望度が上がった?/下がった?」
「なぜそう感じたのだと思うか?」
「面接の前と後で、自分の中で何か変化があったか?」
「今回の面接に合格した/不合格だった理由はなんだろうか?」
このようなやり取りの中で、留学生自身にも新たな問いが生まれ、さらにそれを相手に伝えるために言語化しようとします。

「私が働きたいのはなぜこの仕事なのか?なぜこの企業なのか?」
「企業が私を採用するメリットは何だろうか?」
「私は何のために、だれのために働きたいのだろうか?」
「私はなぜ日本で働きたいのだろうか?」

こうして、実際の経験から「気づき」が引き出されていく様子を、私たちは目の当たりにしてきました。
最初は、たまたま参加した企業説明会からスタートした、ふわふわした感じだった留学生が、一つの会社の選考を経るたびに、別人のように変化していくことも、少なくありません。

■経験学習理論モデルから見える「壁打ち相手」としての支援

このような、実際の経験から気づきが引き出されていくプロセスは、Kolbの経験学習理論モデルで説明ができると思います。

留学生は、説明会参加や面接などの具体的な経験のあと、内省的な観察、つまり多様な観点からの振り返りを行います。そして、抽象的な概念化、つまり他の場面でも応用できるように自分なりに一般化、概念化する作業を行い、そこから得られた概念を、また別の会社の説明会や面接などで試していくわけです。

この経験学習においてとくに重要なのは、内省的な観察と抽象的な概念化のプロセスであり、ここでは、本人に語ってもらい、言語化していくことが大切であるとされています。そしてこの部分の壁打ち相手を、私たち支援者は行うことができるのではないかと思います。

この経験学習のサイクルは、「内定」を取ることをゴールにするならば、内定獲得のためのPDCAサイクルのようにも見えるかもしれません。

しかしキャリアの視座に立って、留学生の今後数十年にわたる職業人生のスタート地点であるという意識で見てみると、このプロセスの中で、留学生は自分にとっての「働くことの意味」を考えていくのだ、とも見ることができます。
さらに留学生の場合は、「日本で」というキーワードも重要になります。
つまり、留学生にとって、就職活動の経験学習プロセスは、日本で働く「私」に意味を与えていくプロセスである、とも言えるのではないでしょうか。

今回、留学生のキャリアデザインを考えるにあたり、留学生にとっての「日本で働く意味付け」から、さらにアプローチを行い、考えを深めていきたいと思います。

■留学生のキャリアについての問い
留学生のキャリアについて考えを深めるための問いとして、これを考えていきます。

この問いについて考えるために、まずは、留学生との就職面談で彼らから出てくる様々な声をあげてみました。

ここに載せたのは一部ではありますが、私たちが留学生と就職相談をする際に、彼らから出てくる仕事選びに関わる希望です。
これらの声を眺めていると、彼らがこれから日本で働こうとするとき、自分なりにそこに何らかの意味を持たせようとしている様子が見えます。

今回は、ここから見えてくる要素として、「○○の仕事をする私」と「外国人(○○人)として働く私」の二つの軸を設定し、留学生のキャリアの志向、働く意味付けの類型化を試みました。

■留学生のキャリアの志向4類型

この図が、留学生のキャリアの志向を二つの軸で表現したマトリクス図です。
縦軸が「○○の仕事をする私」で、この意味付けが強い人ほど上に、弱い人は下に位置づけられます。
横軸は「外国人(○○人)として働く私」で、この意味付けが強い人ほど右、弱い人は左に位置づけられます。

では、具体的にどのような留学生がどの象限にあてはまるのか、実際の就職面談の簡単なやり取りの事例から、ご説明します。

第1象限:ベトナム人Aさんの面談事例
海外営業をする、それによってベトナムの社会課題を解決するという、両方の軸が強いタイプ

第2象限:タイ人Bさんの面談事例
研究開発職に就きたいという仕事の軸が強く、タイ人であることの軸は弱いタイプ

第3象限:マレーシア人Dさんの面談事例
総合職希望で特定の仕事への軸は弱く、マレーシア人であることの軸も弱いタイプ

第4象限:中国人Cさんの面談事例
職種にはとくにこだわりがないが、中国人であることの軸は強いタイプ

留学生の様々な声を、マトリクス図にあてはめてみました。

第1象限には、外国人として働く自分と仕事内容の両方を強く意識する海外営業希望などを入れました。
第2象限には、外国人として働く自分にはこだわりがなく、仕事内容を強く意識するエンジニアや研究職希望などを入れました。
第3象限には、外国人として働く自分にはこだわりがなく、仕事内容についても、まずはいろいろ経験したい総合職希望や、仕事内容というよりも特定の業界や会社に注目しているタイプを入れました。
第4象限には、仕事内容への意識は弱いものの、言語を生かしたい、日本と母国を行ったり来たりしたい、といった外国人として働く自分を強く意識するタイプを入れました。

ちなみに、この4つの象限は、どれが上とか下とか、どれがいいとか悪いとか、という意味で作ったものではありません。どの象限にいる留学生も、内定が決まる人は決まるし、決まらない人は決まりません。

そしてこのマトリクスには、バリエーションもグラデーションもあります。

例えば、第1象限の海外営業希望の中には、「自分は文系だから営業職がいいのではないかと思うが、日本語が弱いので国内営業は自信がない。」という人もいます。
第2象限のエンジニア希望の中には、「給与が高いのでITエンジニアになりたい」とは言うものの、ITの勉強はしたことがなく、自ら勉強する気もなく、会社がすべて教えてくれるだろうという人もいます。
第3象限のいずれの軸も弱いカテゴリーには、日本に住むこと自体に意味があり、日本で働けるなら何でもいいという人もいます。
第4象限の言語を生かしたいという人の中には、正直言語は活かしても活かさなくてもいいのだが、日本人と同じ土俵で勝負するためのアドバンテージとして外国人の強みを利用したい、と考える人もいます。

このような留学生の場合、就職活動に苦戦する人が多いですが、一方で、企業との面接でこのまま正直に言う人はあまりいないわけで、そこはしたたかに内定を取っていく人も多いです。

■日本で就職した留学生のその後

このようにして、自分が日本で働く意味付けを行いながら就職し、日本でのキャリアをスタートさせた留学生たちは、その後どうなっていくのでしょうか。
人生にはいろいろあり、本人を取り巻く状況も変化します。考え方、価値観も変わっていきます。

■4つの象限の垣根を超えていく元留学生の事例

ここからは、日本企業に入社したあと、働く経験の中で4つの象限の垣根を超えていく元留学生の4人の事例をご紹介します。
ケース1は第2象限から第1象限へ変化したケース、ケース2は第4象限から第2象限、ケース3は第1象限から第3象限、ケース4は第4象限から第3象限への変化です。

ケース1:中国人元留学生・陳さん(仮名)の事例

陳さんは、機械メーカーに設計開発職として入社し、3年間設計開発の仕事に取り組んでいました。
そのうち、自分の心の中にもやもやとした違和感が生まれてきたそうです。
「中国人として日本で働く意味は何だろうか?」
「中国人でなくてもいい仕事なら、日本人がやったほうがいいのでは?」
「私の存在意義とは?」
陳さんの中で、「中国人として働く私」の意味付けが大きくなっていったと考えられます。
その後陳さんは、中国向けの技術営業の仕事への異動を願い出て、現在は引き続きこの会社で、違和感なく楽しく働いています。

ケース2:タイ人元留学生・アイスさん(仮名)の事例

アイスさんは、化学メーカーにタイ進出の経営企画担当として入社し、6年間勤務しました。その間、タイ子会社の設立に関わり、タイ子会社を軌道にのせるために尽力してきました。
経営企画の仕事自体がおもしろい、と感じるようになったアイスさんは、この会社ではタイ事業の経営企画のみを期待されてしまう、と考えるようになりました。
もっと経営企画の専門性を高めていける環境はないか?と悩みました。
アイスさんの中で、経営企画の仕事をする私としての意味付けが大きくなっていったと考えられます。
その後アイスさんは、コンサルティング会社の経営企画職へ転職し、タイや海外とはまったく関わることなく、働いています。

ケース3:マレーシア人元留学生・タンさん(仮名)の事例

タンさんは、商社の海外営業を希望し、総合職として入社しました。しかし、入社後は海外営業に配属されることはなく、人事総務部に配属されて3年が経ちました。
当初は、海外と関わりたいのになぜ自分が人事総務部なのか?ともやもやし、自分の強みを発揮できていないと感じたこともあったそうですが、入社4年目から少し海外マーケティングも手伝うようになりました。すると、人事総務部にいたおかげで、社内に人脈ができており、これは誰に聞けばいいのか、社内の意思決定機関がどうなっているのかもわかっていたため、仕事がとてもやりやすいことに気づきました。
現在タンさんは、日本人社員と同じ総合職のキャリア形成に満足しているそうです。

ケース4:インドネシア人元留学生・マリアさん(仮名)の事例

マリアさんは、材料メーカーの海外営業として入社し、いま2年目です。
入社して早々、実は日本で数年働いたら海外に行ってMBAを取りたいと、私に相談がありました。
もっと世界を見て視野を広げたい。
もともと日本で長く働くつもりはなかった。とのことでした。
しかし、最近また連絡を取ったところ、マリアさんの気持ちに少し変化が見られました。働くうちに、業界や製品の専門知識は想像より奥が深いことに気づき、数年程度では理解できないと感じるようになったのです。
マリアさんは、この会社でまだ成長できることがあるかもしれない?と、今、揺れている状況です。

■キーノートのまとめと問題提起

キーノートでは、上記のスライドにある6点についてお話ししました。
しかし、まだ疑問は残ります。

キャリアは個人のものであるとは言え、雇用するのは企業です。
留学生の「働く意味」と、企業側の「雇用する意味」を、両者はどうすり合わせていくのでしょうか?
入社した留学生は、働く中でキャリア志向が変化することもあります。変わりゆく個人のキャリア志向に、企業はどう対峙していくのでしょうか?

このあとのパネルディスカッションで、企業の方々から、生の声をお聞きできるかもしれません。

私のキーノートスピーチは、以上となります。
ご清聴ありがとうございました。

★キーノートスピーチに対するご感想(アンケートより)

・留学生を4タイプに分けたアプローチは、これまで漠然と考えていたことが体系的に整理されていたので、今後、自分の思考の軸になってくれると感じた。

⇒ありがとうございます。私自身も思考の軸が欲しくて、今回この類型作りに取り組みました。これまで出会った多くの留学生を思い出しながら軸を見つけていく作業は、苦しいながらも楽しいプロセスでした。(小野)

・留学生を支援するためには、壁打ちになることが重要だと知り、改めて対話の重要性を感じた。

⇒私は最初のころは「壁」になれずに、留学生からのボールを思い切り打ち返してしまっていました。壁打ち相手の役割が少しできるようになってからは、留学生と面談をしているとき、彼らが「ハッとする」表情をする瞬間に時々出会います。この仕事の醍醐味の一つです。(小野)

・体系的に整理されていて、今後自分が相手をする学生の類型化に使えそうだと感じた。これは「留学生だから」成り立つモデルと言うだけでなく、日本人にも当てはまるもののようにも感じた。

⇒私もそう思います。今回のモデルの構想にあたっては、Weickのセンスメイキングの理論を私自身の思考の土台として用いました。そのため、ベースにあるのはアイデンティティです。日本人の場合、横軸が何になるのかを考えるのもおもしろいですね。(小野)

・4類型と4事例も非常に興味深かったが、経験学習における支援のところが非常に印象に残っている。自分の役割について考えた。

⇒実は恥ずかしながら、Kolbの経験学習理論モデルについてちゃんと調べたのはつい最近なのです。このモデルを見たとき、私たちが日々やっているのはまさにこれだ、と感じました。就職活動を通じた学習は、このモデルにフィットすると思います。(小野)

・実際に留学生と関わっていて、確かにこういった分類も可能だと思った。4分類がどうなのか、という点は兎も角として、送り出す側の大学や専門学校等が留学生の進路を考える際に、日本で就職する理由もキャリアパスに関する考え方も決して一律ではなく、多様であることを認識する為には効果的な方法ではないかと思う。

⇒多様であることを認識することの重要性、本当に同感です。支援者側も、ついつい良かれと思って、自分にとっての常識や正しさを目の前にいる留学生に押し付けてしまうことがあります。でも彼らのキャリアも人生も彼らのもの。私たちはその責任は取れません。一歩引いて見るために、このようなフレームワークは有効かもしれません。(小野)

・最後に仰った「面接官の問いかけで留学生が変わる」という言葉が心に残った。まず、面接にたどりつけるよう、支援していきたいと思う。

⇒もともと発表原稿にはなかったのですが、会場で目の前にいらした企業の方々と目が合った時、これはお伝えしたいと思いました。おそらく面接官の方々が考える以上に、学生は面接官からの問いかけに影響を受けます。実際に最近サポートした留学生は、面接官から「あなたはゼロからイチを作りたい人ですか。それとも既存のものを改善したい人ですか」と聞かれました。果たして自分はどちらだろうと考え、自分の気持ちに気づいたその留学生はこう答えたそうです。「既存のものを改善するときに、既存の技術ではできないこともあると思います。そのときはゼロからイチを作りたい。両者は切り離せないものなのではないでしょうか」と。このやりとりはまさに「壁打ち」であったと思います。そして、この面接で「気づき」を得ることができたこの留学生は、他社の選考をすべて断ってこの企業の内定を承諾しました。この人たちと一緒に働きたいと思ったそうです。(小野)


キーノートスピーチはいかがでしたでしょうか。留学生の就職を支援をされているみなさまが、留学生のキャリアデザインを考える際の一つの軸、アイデアとしてご活用いただけますと幸いです。


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