国語の教員免許&司書資格保持者が伝えたい!! 読書感想文攻略法(あらすじ編)
※ここからは、授業をイメージしてあえて敬語で進めていきます。
どこまで書いて、どこから書かないでいるのが良いか、明確な基準はないと推測します。ただ、仮に原稿用紙3~5枚が分量の場合でも、200字前後は書いて良いと思います。小学生でもう少し全体の分量が少ないとしても、きっと許容範囲でしょう。
下に書くヒントになりそうな質問を書きました。記入してみてください。
①主人公はどんな人ですか。所属や物語が始まった時点で行っている動作を「~主人公」に合う形で、書いてみてください。
例:戦争から帰ってきた主人公、中学で吹奏楽部に入っている主人公
②物語の冒頭で、主人公に何が起きますか。最初に起きた事件や物語の始まりで起きたことを書いてください。(話の最初に何も見つけられない場合は、次の章の冒頭をチェックしてください。)
例:古本屋で知人の本を見つけた、部活の朝練に遅刻した
③その後、主人公の気持ちに変化はありましたか。
例:知人の本に挟まっていたメモから妻の浮気を疑い始める、部活の顧問に怒られて逆ギレ
④最終的に主人公はどうなりますか
例:メモの真相を知る、部活をやめることにした
さて、①~④を繋げて書いてみると下記のようになります。
戦争から帰ってきた主人公 古本屋で知人の本を見つけた 知人の本に挟まっていたメモから妻の浮気を疑い始める メモの真相を知る(58字)
⑤ここに接続詞等を足して、読みやすい文章に変えていきます。
戦争から帰ってきた主人公は、古本屋で知人の本を見つけた。知人の本に挟まっていたメモから、妻の浮気を疑い始める。メモの真相を知る。(64字)
⑥上記の文章では、妻の浮気を疑い始めた後、急に真相を知ったことになり、話の流れが途切れています。次に、この部分を追加します。
戦争から帰ってきた主人公は、古本屋で知人の本を見つけた。知人の本に挟まっていたメモから、妻の浮気を疑い始める。主人公は色々と調べた結果、メモの真相を知る。(77字)
⑦先ほどよりは分かりやすくなりましたが、知人の本からメモが出てきたことと、妻の浮気がどうつながるのか、分かりにくいです。今度は、この部分を追加します。
戦争から帰ってきた主人公は、古本屋で知人の本を見つけた。知人の本に挟まっていたメモは主人公が愛用している用紙だった。しかし、主人公自身はメモを挟んだ覚えがないことから、妻の浮気を疑い始める。主人公は色々と調べた結果、メモの真相を知る。(117字)
⑧これで、完成としても良いです。ただ、先ほどの200字には足りないため、もう少し分量を増やすことも可能です。ここから追加するのは、枝葉なのであまり難しく考える必要はありません。余談ですが、1文は大体30字前後なので、約3文足すと丁度良くなるイメージです。
今回は文章の最初に「主人公は第二次世界大戦で2人の子どもを亡くし、妻は失明した。」と追加して、途中にも「中には暗号と思われる数字が書かれており、解読すると「いつもの所で待っています」となった。」と加えてみました。
この時点で文字は追加する一方で減らしたり整えたりはしていませんが、最後まで意味の通る形で約200字にすることができました。
主人公は第二次世界大戦で2人の子どもを亡くし、妻は失明した。戦争から帰ってきた主人公は、古本屋で知人の本を見つけた。知人の本に挟まっていたメモは主人公が愛用している用紙だった。中には暗号と思われる数字が書かれており、解読すると「いつもの所で待っています」となった。しかし、主人公自身はメモを挟んだ覚えがないことから、妻の浮気を疑い始める。主人公は色々と調べた結果、メモの真相を知る。(191字)
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